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2018-03-01 平成30年第1回定例会(第6日目) 本文
2018-03-01 平成30年第1回定例会(第6日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2018-03-01
    2018-03-01 平成30年第1回定例会(第6日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    永 田 憲太郎 君    中 村 素 子 君    柳   誠 子 君    藤 崎   剛 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  永田憲太郎君に発言を許可いたします。
       [永田憲太郎君登壇](拍手) 3 ◯永田憲太郎君 昨夜は一晩中、春の嵐が吹き荒れておりました。起きて外を眺めてみますと、本当に台風が過ぎ去った後のような光景でありました。きょうの傍聴席、見渡せば花ももみじもなかりけり、木枯らし吹くような傍聴席という感じで、報道の方々が約四名傍聴しておられます。そのほかの傍聴席には約二名の方が傍聴に来ておられます。足元の悪い中、御多用中にもかかわらず、私の拙い一般質問のためにわざわざおいでいただきました。心から感謝申し上げます。ありがとうございます。  それでは、通告に従いまして順次発言させていただきたいと思います。  本日は、一つに、財政問題について、特に地方交付税行財政改革推進プロジェクトチームのあり方についてお尋ねしたいと思っております。  第二番目は、学校の教員の働き方改革、学校の業務改善についてお尋ねしたいと思っております。  三つ目は、生活保護に関して、老齢基礎年金との比較において述べさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。  政府は十二月に、一般会計総額が過去最大となる九十七兆七千百二十八億円の来年度予算案を決めました。また、地方自治体の財源不足を補う地方交付税は十六兆八十五億円として、今年度より三千二百十三億円の減少となっております。この地方交付税をめぐっては、自治体が積み上げた基金に焦点が当たったと聞きますが、来年度予算案ではどう扱うかについての結論は先送りにしたとのことであります。  昨年は、二〇一六年度末までに二十一兆五千億円にまで積み上がった地方自治体の基金に注目が集まりました。財務省は、「国から交付税を受け取りながら、自治体が基金残高をふやしているのは問題だ」と主張し、総務省は、「いや、これは将来への自治体としての備えだ」などと反論したと聞いております。  総務省は、今回の予算編成では、基金残高の増加を理由にした地方交付税削減はしなかったとは言いつつも、一方、財務省からは、「このことは納得できるものではなく、今後も議論を続けてく必要がある」という声も聞こえてまいります。  一方、政府は、二〇一九年十月の消費税増税分の使途の変更によって、プライマリーバランスの二〇二〇年度の黒字化目標の達成は困難になるとしています。ただし、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体は堅持し、その目標の達成に向けて、ことしの夏までに新たな健全化計画をつくるといたしております。  また、内閣府はこのほど、国と地方のプライマリーバランスをめぐり、黒字化がさらに二〇二七年度にずれ込むとの試算をまとめたとも聞いております。ことしの夏までに新たな健全化計画を作成する場合は、この試算が議論の土台となるものと思われます。  政府は、この一連の内閣府試算を踏まえて新たな健全化計画をつくるとしていますが、その中では、今後の歳出削減目標を織り込んでくることが容易に予測されるわけであります。そのとき、地方交付税の削減論が再燃し、自治体の基金の積み立てが再びやり玉に上がることになるのではないかといった危惧を抱いております。ことし夏の財政健全化計画のときに、地方交付税削減論が再び出てくるのではないかということを心配いたしております。  ところで、本県の当初予算は、国のこのような財政環境の中で編成されました。今年度の当初予算をやや上回る総額八千百億円強となっています。また、昨年九月に公表された、平成三十年度─来年度─の、七十八億円の収支不足は、その後、行財政改革推進プロジェクトチームによる行財政改革の推進によって解消される見通しとお聞きしました。  これらのことを踏まえて、以下お尋ねいたします。  まず、財政に関する今後の見通しに関し、本県の重要な財源である地方交付税についてお伺いします。  国の財政制度等審議会においては、地方自治体の基金残高の増を問題視するような意見もありました。平成三十年度の地方財政対策における地方交付税については、地方の基金残高の増加は影響していないと聞いていますが、国は引き続き、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標を堅持しており、先ほども申し上げたように、ことし夏までにつくるとしている健全化計画作成に当たっては、地方交付税について、国において厳しい議論がなされるものと予想されます。  今後の地方交付税の動向について、県の見解をお聞かせください。  次に、県が昨年九月に公表しました七十八億円という収支不足についてお伺いします。  この収支不足を公表した背景についてお聞かせください。  また、県はこの収支不足をどのように分析し、認識しているのか、お聞かせください。  次に、この収支不足を踏まえた平成三十年度当初予算編成についてお伺いします。  平成三十年度当初予算については、一般政策経費が二・一%の減額、普通建設事業費が〇・六%の減額となっていますが、その理由をお聞かせください。  平成三十年度当初予算において七十八億円の収支不足を解消しましたが、解消に至る過程として、行財政改革推進プロジェクトチームでの検討内容、分析、整理について御説明ください。  あわせて、未利用財産の売却は収支不足解消のためにはぜひ必要となるものでありますが、平成二十九年度の未利用財産の売却実績について、主な内訳をお示しください。  私といたしましては、行財政改革推進プロジェクトチームで検討された内容、分析、整理についてもう少し丁寧な説明がなければ、議会や県職員の方も危機感を共有できないのではないかと考えています。  また、行財政改革推進プロジェクトチームの取り組みについては、七十八億円の収支不足を解消するなど一定の成果があったと認めますが、組織のあり方としては、プロジェクトチームが財政全体を俯瞰しながら具体的な目標を設定すると、このことをチーム鹿児島県庁として全体が問題・課題を共有しながら、成果に向けて実行することが肝要と考えています。同時に、そのことを県民にも訴え、理解を得ながら進めていくことが大事です。可能な限り周囲を議論の中に巻き込んでいくことは、とても大事なことです。  残念ながら、今回の行財政改革推進プロジェクトチームの報告からは、その姿勢が見えてまいりません。県民が危機感を共有するにはほど遠いように思われます。  今後も厳しい財政状況が続くと考えられることから、引き続き、行財政改革推進プロジェクトチームを設置し、行財政改革に取り組む必要があると考えますが、行財政改革推進プロジェクトチームの今後の運営についてどのように考えているのか、お聞かせください。  これで、第一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 4 ◯知事(三反園 訓君)行財政改革推進プロジェクトチームの今後の運営についてであります。  国においては、経済・財政再生計画に基づく国・地方の基礎的財政収支の黒字化という財政健全化目標は堅持し、歳出改革等を着実に実行することとしておりまして、また、ことしの骨太の方針において、目標達成時期及びその裏づけとなる具体的な計画を示すこととしております。  さらに、本県は、扶助費が増加傾向にありますことや公債費が高水準で推移すると見込まれますことから、今後とも一層厳しい財政状況が続くものと考えております。  このようなことから、平成三十年度におきましても、行財政改革推進プロジェクトチームを中心に、行財政運営戦略に基づく行財政改革の取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。  同プロジェクトチームでは、本県の厳しい財政状況について庁内で認識をしっかりと共有した上で、行財政改革の取り組みを着実に推進するために実務的な検討を行うこととしておりまして、その取り組みの状況につきましては、県議会や県民の皆様への丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)今後の地方交付税の動向についてでございます。  地方交付税につきましては、国において、先ほど知事からお答えのありましたとおり、経済・財政再生計画に基づく財政健全化目標を堅持し、歳出改革等を着実に実行することとしており、ことしの骨太の方針において目標達成時期等を示すとしていること、また、財務省は、基金の必要性、内容のさらなる分析や、各年度に必要となる財源保障の適正規模の精査等を行いつつ財政資金の効率的配分を図る観点から、引き続き必要な取り組みを検討するなどとしていること、また、国が地方の一般財源総額について実質的に同水準を確保するとしているのは平成三十年度までであることなどを踏まえますと、平成三十一年度に向けまして、今後、厳しい調整が行われることが予想されるところでございます。  収支不足の公表の背景、分析及び認識についてでございます。  昨年九月に公表いたしました財政収支の見通し─仮試算─は、平成三十年度当初予算編成等に向けまして、本県の厳しい財政状況について認識を共有し、本県財政の今後の見通しを踏まえた上で行財政改革の具体的な取り組みを検討するため、その時点での地方財政制度等を踏まえ、その時点で見込み得る範囲で推計したものでございます。  仮試算におきましては、行財政改革を行わなければ七十八億円の収支不足が生じるという厳しい見通しとなったところでございます。この収支不足の主な要因といたしましては、扶助費が高齢化の進行等により増加傾向にあること、公債費が高水準で推移すると見込まれること、これまで歳入確保策として活用してきた特定目的基金の残高が近年減少してきていることなどが考えられると分析しております。  県といたしましては、収支不足を解消するため、平成三十年度当初予算編成に向けまして、事務事業見直し等行財政改革の取り組みを着実に進める必要があると認識したところでございます。  一般政策経費及び普通建設事業費の減の理由についてでございます。  平成三十年度当初予算編成に当たりましては、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組みます一方で、県勢の発展や県民福祉の向上につながる各般の施策の充実にも努めたところでございます。  一般政策経費につきましては、子育て支援や高齢者生き生き支援、明治維新百五十周年関連事業などに積極的に取り組む一方で、国民健康保険財政安定化基金の積立金について、平成三十年度から特別会計に移行することなどによる減、東九州自動車道建設の事業進捗などに伴う埋蔵文化財発掘調査事業の減などによりまして、全体としては約二十億円の減となっているところでございます。  また、普通建設事業費につきましては、中央町十九・二十番街区及び千日町一・四番街区の公共空間創出の支援や、国民体育大会に係る会場施設整備などに積極的に取り組む一方で、鹿児島西警察署の新庁舎整備の終了による減、大隅陸上競技トレーニング拠点施設整備に係る事業費の減などによりまして、全体としては約九億円の減となっているものでございます。  行財政改革推進プロジェクトチームでの検討内容、分析及び整理についてでございます。  行財政改革推進プロジェクトチームにおきましては、事務事業見直しを実施することとし、施策の妥当性・有効性・効率性などの観点から、当初の目的を達成している事業や活用実績が低い事業はないか、外部委託の導入が可能な事業はないかといったテーマを設定し、各課が所管する事業等のうち、各テーマに該当する事業等を選定し、重点的な検証、見直しを実施したところでございます。  具体的には、県内の有効求人倍率が一倍を超えていることなどから、リーマンショック時の経済情勢に対応して設けられました離職者等への助成金を二年で廃止することとし、あわせて、現在課題となっている雇用のミスマッチ解消施策を新設するという見直し、活用実績等を踏まえた林業振興資金貸付金の見直し、共生・協働センター業務の一部を民間に委託することにより効率化し、新たなコミュニティビジネス促進事業を創設する見直し、事業終了に伴い廃止することとした鹿児島臨海環境整備基金の活用などに取り組んだところでございます。  その上で、平成三十年度当初予算編成におきまして、事務事業見直しにおいて示された検討、取り組みの方向性を踏まえ、全事業についてさらに踏み込んだ見直しを検討したことなどによりまして、一般財源ベースで四十億円を確保することができたところでございます。  また、歳入確保策として、未利用財産の売却、使用料・手数料の見直し、ネーミングライツの活用などに取り組むことにより、十六億円を確保することができたところでございます。  これらの取り組みによる効果額五十六億円と収支見通しを上回る税収の伸びなどによる二十二億円を合わせまして、七十八億円の収支不足を解消することができたところでございます。  未利用財産の売却実績についてでございます。  平成二十九年度における未利用財産の売却実績は、鹿児島臨海工業地帯一号用地や旧警察学校跡地、ゆすの里隣接地など三十一件、二十六億円余りとなっているところでございます。    [永田憲太郎君登壇] 6 ◯永田憲太郎君 御答弁いただきました。  引き続き厳しい状況にある本県の財政について御説明いただきましたが、ここで忘れてならないのは、平成十六年度の三位一体改革のときの地方交付税の大幅な減額であります。あの時期は、地方にできることは地方にという旗印のもとで地方分権改革が推進されておりました。地方分権改革の推進の一環として三位一体改革が実行されたわけでありますが、国庫補助金の削減、地方交付税の削減、これと同時に税源の地方への移譲、これを三位一体で改革するといったようなものであったと記憶いたしております。  しかしながら、平成十六年、地方交付税が二兆九千億円という大幅な減額をされますと、地方に大きな衝撃が走りました。このことによって地方財政が大きく疲弊していったことは今さら言うまでもありません。  さらに、補助金や地方交付税の削減に比べて、地方への税財源の移譲が思うように進まなかったということも、地方の疲弊に拍車をかけていたような気がいたします。この結果、地方分権よりも国の財政再建が優先された改革となった印象があります。  それ以来、地方の改革への不信感といったものがずっと地方には残ってきていると認識いたしておりますが、今日の地方自治体の基金残高の積み上げは、このことを起点にして、地方が、万一のときには財政調整に活用可能な基金が必要だということを強く認識した結果だったと思うわけなんです。ですから、国のほうで、この地方自治体の基金残高がおかしいと言うのは、逆におかしいと思うわけであります。  こういった状況の中で、本県では三百十五億円の地方交付税が削減され、四百五十一億円の収支不足が発生いたしております。あのとき、新年度予算が編成されるのか、新年度の予算編成ができないんじゃないかと大変心配したことを思い出すわけであります。地方の財政というものがこれほどにも底の浅いものであったか、これほどまでに脆弱なものであったのかということを嫌というほど思い知らされたときでありました。  私たちは、財政改革プログラム県政刷新大綱に基づいて財政改革を進めていきましたし、議会は特別委員会を設置して、行財政改革についての知恵を絞った時期でもありました。同時に、県民の方々に対しては、痛みを伴うことを御理解いただくための努力もやっていったことを思い出します。行政と議会と県民が、三位一体改革によって生じた痛みを、三位一体で乗り越えていこうとした時期でありました。  その後、懸命な努力の結果、収支不足が解消し、そして財政調整に活用可能な基金残高を少しずつ積み増していったというのが、つい二、三年前のことであります。  私は、このことを強く認識しておかなければいけないと思うわけなんです。あのとき私たちは、私たちが現職議員のときに鹿児島県を財政再建団体に落とすということはあっちゃならない、いや、末代までの恥だと、議員それぞれ、お感じになっていたんじゃないかと思うわけなんです。  行財政改革というのは、不断の努力が必要であります。潤沢な財政に恵まれて行政が成り立っているわけじゃありませんので、ちょっとした違った風が吹くと地方交付税が削減され、そして国庫補助金も少なくなって税収が減っていく、こういう悪循環の中で県の財政が疲弊していくということは、絶対あり得ないことではない、あり得ることだと私どもは認識しておくべきじゃないだろうかと思うわけなんですね。  このことを強く訴えたいと思いますが、知事におかれましては、行財政改革推進プロジェクトチームを引き続き運営していただいて、そして県財政の間違いのないかじ取りをお願い申し上げておきたいと思います。  次に、先ほど申し上げましたように、教員の長時間勤務について質問いたします。  このことが問題になっております。本業の授業以外の部活動指導や事務作業などで忙しいためだと言われています。二〇二〇年度からは小学校でも英語が教科となり、授業時間がふえることになりますが、教員が本業である授業とその準備に注力できる働き方改革が必要だというわけです。  特に中学校では、部活動指導の負担が大きいと言われております。文部科学省の二〇一六年度教員勤務実態調査によると、中学校教員が土日に部活動指導する時間は、十年前の一時間六分から二時間十分に倍増しているとあります。一方、多くの学校現場では、労務管理の基本中の基本である勤務時間の客観的把握ができていない実態も、今回の調査で明らかになっております。  調査によりますと、小・中学校の約七割が教員の退勤時間をタイムカードやパソコンなどに記録しておりません。退勤時間については、約六割が「報告や目視にて確認しただけ」等とあり、約一割に至っては「特に何もしていない」と回答しています。民間の会社では考えられない労務管理が行われているわけであります。  部活動指導地域団体等にかかわる校外業務にしても、負担が一部教員に偏っているだけで、教員の全てが過酷な勤務実態になっているわけではないといった声すら聞こえてまいります。  学校については、その実態は校外からはなかなか見えてまいりません。  中教審は、タイムカードなどを使った勤務時間の客観的把握や、教員が抱え込んでいる業務の仕分け、あるいは部活動指導への外部人材の活用などを文科省や教育委員会に求めていると聞いております。  これらのことを踏まえて、以下質問いたします。  タイムカードなどを使った勤務時間の客観的把握については、教員の勤務時間管理がおろそかになっていることの一因として、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、非常に長い法律名でありますけれども、長いからでしょう、給特法と短くして言っているようであります、この給特法の存在があると言われています。  一九七一年に法が施行されましたが、その内容は、教員の業務は勤務時間の内外を切り分けることが適当でないとして、時間外勤務手当を支払わないかわりに、給料月額の四%を教職調整額として一律支給するとしたものであります。時間外勤務手当を支払わないかわりに、四%を支払いましょうと、そして一律、全員の教員に支払いましょうといった法律であります。  しかしながら、その後、学習指導要領の改訂による指導内容の拡大などで、教員の勤務時間はふえ続けてきました。  給特法と勤務実態とのずれが指摘されて久しいものがあります。時間外勤務手当を支払う必要がないため、学校側の教員に対する勤務時間の管理意識が低いままになっていると言われています。教員側も、幾ら時間外勤務しても給料が変わらず、勤務時間を意識しない働き方になれてしまって、業務を効率化するインセンティブが働かなくなっているとも言われます。  給特法の存在を議論する時期に来ていると考えますが、この特別措置法について県はどのように考えているのか、お尋ねいたします。  また、教員は創意工夫の仕事だから時間管理はなじまないという考え方が根強く、そのために時間管理がおろそかにされがちだったという指摘があります。しかしながら、個々の教職員がどの業務にどれだけの時間をかけているのか、まずはその実態を把握すべきだと考えます。この実態把握はまだできていないようでありますが、そうしなければ、何を改革すべきなのかが見えてまいりません。  実態把握の調査はどうなっているのか、考えをお聞かせください。  さらに、部活動指導については、特に中学校においては最も負担が大きいと言われています。スポーツ庁では、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの作成が検討されており、三月末までに策定する予定とお聞きいたしました。  このガイドラインの目指すもの、その内容等について、おわかりならお聞かせください。  また、教育長は、先日の我が自民党の代表質問に対して、「全ての学校にリフレッシュウイークを設定する」旨を答弁し、部活動の休養日の設定についても触れられましたが、部活動の休養日の設定とガイドラインとの関係についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。  これで、二回目の質問といたします。 7 ◯教育長(古川仲二君)まず、給特法のあり方についてでございます。  中央教育審議会におきましては、学校における働き方改革に関する議論において、教員の職務と勤務態様の特殊性を踏まえ制定されました、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法のあり方についても議論されているところでございます。  中央教育審議会の中間まとめにおきましては、教師の勤務の特殊性や児童生徒の学びの質を担保するために、持続可能な勤務環境のあり方を考慮しながら、給特法のあり方も含む教職員の勤務時間等に関する制度については、引き続き議論を進めていく必要があると示されたところでございます。  文部科学省の緊急対策におきましても、教師の勤務の特殊性を考慮しながら、引き続き議論することとなっておりまして、県教委といたしましては、今後の国における議論を注視してまいりたいと考えております。  次に、教職員の労務管理についてでございます。  教員の勤務時間の把握につきましては、これまでも各学校において、それぞれの管理職が個別の面談や健康管理のための出退時刻記録システムの活用等により、個々の職員の実情を把握してきたところであります。  教員の業務に関する実態把握につきましては、本年度中に策定いたします学校における業務改善方針を踏まえ、来年度の早い時期に、教員の長時間勤務要因分析調査を実施することにいたしております。なお、調査方法等については、現在検討を進めているところでございまして、学校や地域の実情等に応じた調査項目等を検討し、教職員の勤務実態を適切に把握してまいりたいと考えております。  次に、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン案の内容等についてでございます。  本年二月にスポーツ庁が公表したガイドライン案は、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点から、一つには、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現すること、二つ目に、教育課程との関連を図ること、三つ目に、学校全体として運動部活動の指導・運営に係る体制を構築することを重視し、運動部活動が地域、学校、競技種目等に応じて最適な形で実施されることを目指すものとして策定されるものでございます。  その内容につきましては、適切な運営のための体制整備、合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取り組み、適切な休養日等の設定、生徒のニーズを踏まえたスポーツ環境の整備、学校単位で参加する大会等の見直しの項目についてそれぞれ、生徒の視点に立った学校の運動部活動改革に向けた具体的取り組みについて示しているところでございます。  次に、部活動の休養日の設定とガイドラインとの関係についてでございます。  県教委におきましては、教職員の業務負担の軽減に係る先行的に実行可能な取り組みの一つとして、来年度から、県内全ての学校で原則週二日の部活動休養日を設定することといたしております。  国のガイドライン案におきましても、適切な休養日の設定として、生徒が運動、休養及び睡眠のバランスのとれた生活ができるよう、スポーツ医・科学の観点の基準として、週当たり二日以上の休養日の設定や、一日の活動時間を長くとも平日二時間程度、休日は三時間程度とすることなどが示されているところであります。  県教委といたしましては、ガイドラインが示している休養日の設定を含む部活動の適正化について、学校における業務改善の観点も踏まえながら、持続可能な部活動の運営に係る体制の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 8 ◯永田憲太郎君 自席から、教育長に一点だけ質問させていただきたいと思います。  スポーツ庁が現在取り組んでいるガイドラインについて御説明いただきました。文科省も中教審も、できることはできるところから早くやってほしいといったような方針を出しておりますので、このガイドラインに基づいた部活動休養日を設定された素早い対応に敬意を表したいと思っておりますが、小学校はスポーツ少年団というものがありますし、中学校は部活動でありますけれども、この運動部活動がどう変わっていくのか、もう少しイメージできるような形で御説明いただければと思います。
    9 ◯教育長(古川仲二君)スポーツ庁のガイドラインが策定された場合の本県の運動部活動についての取り組みについての再度のお尋ねかと思います。  県教委といたしましては、今年度末にスポーツ庁のガイドラインが策定されることを踏まえまして、来年度、部活動について、教員の負担軽減や生徒の発達を踏まえた適切な指導体制の充実に向けまして、休養日を含む適切な活動時間の設定でありますとか、持続可能な部活動の運営体制等について検討することにいたしております。  具体的に申し上げますと、部活動の実態調査を行った上で、専門家や保護者等から成る検討会を設けまして、体罰等の未然防止など部活動の適切な運営でありますとか、休養日、活動時間、さらに本県の実態を踏まえた部活動指導員制度のあり方などについて検討いたしますとともに、これらを踏まえまして、部活動顧問等を対象にした具体的な研修会を実施することにいたしているところでございます。  県教委といたしましては、教職員の業務負担軽減を図るとともに、地域や学校の実態に応じまして、関係団体と連携して、生徒のニーズを踏まえながら、部活動の適正化に具体的に取り組んでまいりたいと考えております。    [永田憲太郎君登壇] 10 ◯永田憲太郎君 学校の働き方改革について、教育長より御答弁いただきました。  私は、本県では業務改善方針と位置づけておられるみたいですけれども、学校の働き方改革は今後の公立学校の存在の意義を問うことになるんじゃないかと深刻に受けとめております。  学校を取り巻く環境は、戦後大きく変わってきました。社会が学校に求めるものも非常に多様化・複雑化してきていると言われております。そして学校は、その社会の声に対して真面目に正直に反応してきたと思っております。しかしながら、その結果、幾つもおかしなことが起こってきているということも、否めない事実であります。  一つには、生徒が何か問題を起こしたとき、それが学校外で起こした問題であっても、公表されるときには学校名と学校長名がまず先に出てまいります。どういうわけか学校長が頭を下げて、社会に陳謝している姿が見られることがあります。  また、子供の受動喫煙が話題になりましたが、このことが出てまいりますと、学校は早速反応いたしまして、学校内での喫煙を禁止いたしました。それはそれで当然だと思うんです。しかしながら、校門を一歩外に出ただけのところでたむろして、たばこを吸っておられる光景をよく見ます。私は、校門を一歩離れて、外にいることと内側にいることでどんな違いがあるんだろうかと、不思議でなりません。こういったことが真面目に行われているのが今の学校だと思うわけなんです。  いろいろなことを学校の中で抱え込んで、そして社会の声を聞きながら、学校はある意味、悲鳴を上げるような状況で運営されている実態があるような気もするわけなんですね。  しかしながら、こういうことが長年繰り返されている間に、大きく変わってきたこともあります。例えば、当節、受験指導ということになりますと、もう既に民間の塾が学校の座を奪っております。こういった事実を考えるときに、私たちは、社会は学校に対して何を求めているのか、そして学校は、社会から言われるがまま、その求めに応じて全てに答えを出さなければならないのか、このことを整理するのが今回の働き方改革じゃないかと思うわけなんです。こういった観点から教職員の勤務実態を調査して、その対策を練っていかないと、またこのことは解決されないで放置されていくことになると思います。  中には極端なことをおっしゃる方もいらっしゃいまして、教職員の長時間勤務というのは、その実態は部活動指導にあるんだということをおっしゃいます。部活動指導の過重さが教職員の長時間勤務になっているんだと。であるならば、トップアスリートを目指す子供たちは民間のクラブに行けばいいんだ、学校はそこから子供たちを手放せばいいんだというような意見もあるわけなんです。  受験指導も民間に預け、子供たちのスポーツ指導も民間に預けるとした場合に、学校の存在の意義というのを社会はどこに求めていけばいいのか、学校はどこに自分たちの存在の意義を見出していけばいいのか、わからなくなります。  こういったことが議論されなければいけないことになっているんじゃないかと思うわけですが、教育長に意見としてお願い申し上げておきたいと思います。  今回の働き方改革、業務改善につきましては、一つには中学校の部活動指導と、学校の一般的な教務と事務作業を切り離して検討していく必要があるんじゃないかと思うんです。この二つを同時に進めようとすると焦点がぼやけてしまいます。部活動指導には部活動指導としての課題がありますし、教務・事務作業には教務・事務作業としての部活動と違う課題があります。これを二つ同時にしないで、別々に検討していく必要があるんじゃないか。  それから第二点は、これはぜひお願いしたいんですが、この検討する会合の中に、各学校で検討していかれることになると思うんですが、外部の有識者をぜひ複数入れてほしいということです。一人じゃいけません。一人だと、学校長ほか教員の方々に押されてしまって意見が出なくなりますので、複数この検討会の中に入れて、外部の声も聞きながら、業務改善を進めていくということをお願い申し上げたいと思います。  これだけ申し上げまして、次は、生活保護について質問したいと思います。  厚生労働省の二〇一六年度の生活保護受給者の実態調査では、生活保護費の不正受給件数が全国で四万四千四百六十六件で過去最多を更新したと公表されました。本県における実態はどうなっているんだろうかと気になるところであります。  したがいまして、本県における生活保護費の不正受給の件数、不正の内容をお示しください。  また、不正受給防止に向けた対策についてお示しいただきたいと思います。  一部報道によりますと、パチンコ等で生活保護費を過度に使っている実態もあるやに伝わってまいります。生活保護法にパチンコ等を禁止する規定はありませんが、保護受給者に対しては、生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図るなどと、生活上の義務が定められております。パチンコ等に生活保護費を過度に費やしている生活保護受給者に対しては何らかの対策も必要ではないかと考えますが、当局の考えをお聞かせください。  第三点、老齢基礎年金のみの受給者は多数おられます。全国的には約七百二十五万人に上り、本県でも十二万人以上の方が老齢基礎年金のみの受給者になっています。  また、老齢基礎年金の受給額は満額で約六万五千円です。一方、生活保護の生活扶助基準額は、鹿児島市居住の場合、高齢者一人世帯で生活扶助として約七万三千円ですが、これに住宅費が加算されますと優に十万円を超していくことになります。高齢者ひとり暮らしで老齢基礎年金のみが収入の場合、国が定めた最低生活費にも到底及びません。収入が最低生活費に不足する分は生活保護費として申請することはできますが、この申請をせずに切り詰めた生活をしている方もたくさんおられると思います。  このことは、長い間、真面目に保険料を納めてきた年金受給者からすると報われない状況だと思いますが、県の見解をお示しください。  これで、三回目の質問といたします。 11 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)生活保護制度についてお尋ねがありました。  まず、生活保護費の不正受給の状況についてであります。  平成二十八年度の生活保護受給者による不正受給の件数は県全体で六百十二件であり、その内容は、稼働収入の無申告が最も多く四六%、次いで、各種年金等の無申告が一九%、稼働収入の過小申告が一七%などとなっております。  また、不正受給対策については、事務監査や各種会議を通じまして、保護の実施機関に対し、課税状況調査による稼働収入の把握や、年金調査による年金収入の把握などを徹底するよう指導しているところであります。  県におきましては、引き続き不正受給未然防止に努めてまいります。  次に、生活保護受給者が行うパチンコ等への対応についてであります。  国は、パチンコ等が社会一般に認められている娯楽であり、また個人の嗜好の問題でもあることから、生活保護受給者に対し一律に禁止することについては慎重な検討が必要としている一方、パチンコ等で過度に生活費を費消し、本人の健康や自立した生活を損なうようなことは、生活保護の目的からも望ましくないとの考え方を示しております。  県におきましては、全ての生活保護受給者に対し、生活保護のしおりを配布し、支出の節約に努めるよう求めるとともに、生活保護費を過度に費消している場合には、適切に家計の管理を行い、パチンコ等は社会常識の範囲内で行うよう助言・指導等を行っているところであります。  年金の給付水準と生活保護基準についてであります。  年金制度は、長生きに伴い、生活資金がなくなるというリスクに備えることを主たる目的として、給付水準は、貯蓄などと合わせて一定の水準の生活が可能となるよう、高齢期の基礎的な生活費を踏まえたものとされております。他方、生活保護制度は、現役時代に構築した生活基盤や老後の備えを活用してもなお困窮した場合に、文化的な最低限度の生活を保障するものであり、年金制度とはその目的、役割が異なるものとされております。  なお、生活保護基準につきましては、国において、一般低所得世帯の消費実態などとの均衡がとれたものとなっているかとの観点から、定期的な検証がなされ、その結果を踏まえた見直しが行われているところでございます。    [永田憲太郎君登壇] 12 ◯永田憲太郎君 老齢基礎年金のみの受給者、全国で七百二十五万人余り、本県では十二万二千人余りと言われております。老齢基礎年金のみの御高齢のひとり暮らし、受給額は約六万五千円、ひとり暮らし高齢者の生活保護費は住宅費を入れると十万円を超します。さらに、老齢基礎年金に対しては、毎回、年金の振り込み時に介護保険料と国民健康保険料の合計が特別徴収ということで天引きされて振り込まれます。  長い間、保険料を真面目に納付してきた。しかしながら、こんなことがあっていいんだろうかというのがこういった方々の実感であります。部長がおっしゃいましたことは、教科書としては理解できます。しかしながら、生活の実感とかけ離れた御答弁だったと思うわけなんです。私は、こういったお年寄りに対する支援も考えていかないといけないんじゃないかと思うわけなんです。  政治は、光の当たらないところに光を当てると言われております。知事におかれましては、国に物申す機会はしばしばおありだと思いますので、こういった声も議会では出ておりますよといったことはお伝えいただきたいと思いますし、小林副知事におかれましては、特に厚労省に対して、直接厳しく発言していただきたいとお願い申し上げておきたいと思います。  以上、本日は、財政問題、学校教育、働き方改革、そして生活保護受給について老齢基礎年金との絡みで質問させていただきました。  本日は、こうして質問している間に気がつきますと、何人か傍聴席の方々がふえておられるようであります。多分、私の後の中村素子議員の応援団の方々じゃないかと思いますが、後は中村議員にお譲りしたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) 13 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、中村素子君に発言を許可いたします。    [中村素子君登壇](拍手) 14 ◯中村素子君 皆様、おはようございます。阿久根市・出水郡区の中村素子です。  本日も、遠く長島町、そして阿久根市から傍聴に来ていただいております。本当にありがとうございます。地元の皆様方の支えがあっての私の活動でございます。心から感謝申し上げたいと思います。  支えといえば、きのうは昼も夜も先輩議員に栄養をつけていただきました。若干栄養過多の状態ではございますけれども、地域の皆様の声をこの議場に届けるという使命を本日もしっかりと果たしたいと思います。  それでは、早速、通告に従い質問を進めてまいります。  まず、危機管理関係についてお伺いいたします。  我が会派の代表質問でも取り上げましたが、去る二月三日、県原子力防災訓練が行われました。私も当日は、午前中のみでしたが、長島町役場において訓練の様子を視察し、その後、島の南端にある田尻地区住民の避難集合場所で、住民の皆さんの点呼、所在確認の様子を視察させていただきました。  今回の訓練では、従来の訓練の拡充や、初の取り組みが各所で行われたと承知いたしております。阿久根市では熊本県津奈木町への県域をまたいでの避難、長島町では実動機関と連携した訓練を新たに実施していただきました。  そこでまず、今回の原子力防災訓練で、特に新規に行った六つの訓練の成果と課題についてお示しください。  ことしは長島町で、そして昨年、一昨年は阿久根市で訓練の様子を視察してまいりましたが、訓練の中で、船による避難の可能性について話が出ております。  長島町では、島の南端のみがUPZ圏内にかかるため、避難計画では、島の北部に向かって避難する島内避難となっております。阿久根市の住民の一部は、国道三号を北上して県域を越えて熊本県に避難することとなっています。  しかし、長島町においては、島の北部への避難では、いまだ三県架橋が実現していない現状では、最北端で行きどまり避難し切れない。阿久根市においては、国道三号が大渋滞し避難に非常に時間がかかるなどの事態が想定されます。そうした中、現実的な住民の避難行動として、渋滞もなく、逃げ場として開けている海に向かって逃げようとする動きが生じることは容易に想像ができます。  御存じのとおり、阿久根市も長島町も海岸線が長く、沿岸には漁船を有する漁民が多く暮らしております。都市部の生活とは異なり、地元では船は比較的一般的な乗り物であります。こうした地域の実情に照らせば、県でも、住民の避難方法として船での避難を想定し、対応方法を整えておく必要があるのではないかと考えます。  そこで伺います。  県では、住民の船による避難についてどのように考えておられるのか、お示しください。  さて、今回の避難訓練を見ましても、また日ごろの防災活動や、実際に災害が起こったときの災害対応にしましても、地域の消防職員や消防団の皆様が担う責務の大きさは申し上げるまでもないことだと思います。  特に消防団の皆様には、各自仕事を持ちながら、地元に一番密着した形で日々の防災活動に努めていただいており、また、災害発生時には前線で任務の遂行をしていただいております。そしてこの活動を支えるために、仕事終わりや朝早くから操法訓練に励んでいただいているところです。  私も毎年、地元の消防操法大会に出席させていただいておりますが、訓練を積んだ機敏で正確な動きにはとても頭が下がりますし、また、この動きをもって地元を守っていただいているんだなという大きな安心感も覚えております。  この操法については、二年に一度開催される県大会で優勝した団が、全国大会に出場していると聞いております。しかし、現場の関係者からは、県大会における操法の審査基準と全国大会における審査基準は異なっており、県内の大会においても、全国基準による審査をするのが望ましいのではないかとの指摘が聞かれます。  そこで伺います。  県で用いている審査基準が全国大会における審査基準とどのように異なっているのか、お示しください。  また、我が県で実施する操法大会も全国の審査基準にあわせて行うべきではないかと考えますが、県の取り組みについてお示しください。  訓練の中で、地元住民の皆様の避難の様子を見せていただきましたが、自然災害にも対応するため、住民の皆さんには、それぞれの地域で自主防災組織を結成し、日ごろから防災意識の啓発あるいは、いざというときの避難所運営等に関する知識を習得していただくなどすれば、災害に対する備えがより一層厚みを増すと考えております。そうした住民の皆様の活動を促進するために、県では防災アドバイザーを配置していると聞きます。  そこで伺います。  県防災アドバイザーの果たす役割、配置状況、具体的な活動実績についてお示しください。  続いて、国体・全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについて伺います。  ことしは明治維新百五十周年で大変盛り上がっております。何年も前から、県内官民挙げてこの節目の年を祝おうと各関係者が周到な準備を重ねてこられたものが、一気に開花いたしております。私自身も非常に楽しませていただいているところです。  この百五十周年記念に続き、二年後には鹿児島国体・全国障害者スポーツ大会が開催されます。来るべき国体・全国障害者スポーツ大会に向けても、手を緩めることなく周到な準備を重ね、鹿児島に来られる選手、観客の皆様が安心して競技、観戦できる環境を整えておかなければならないと思っております。  そこでまず、ボランティアの養成状況について伺います。  ボランティアなくしては大会の円滑な運営はできない。その果たす役割の大きさは、先日まで行われていたピョンチャンオリンピックを見てもよくわかりました。  また特に、国体に続いて行われる全国障害者スポーツ大会の開催に当たっては、高度な技術を有するボランティアの養成・確保が必要不可欠となり、早い時期から準備を進めていく必要があろうかと考えます。  そこで、ボランティアの養成に関する取り組みについてお示しください。  次に、県民を挙げて大会を盛り上げるために、県では、大会のイメージソングに合わせた「ゆめ~KIBAIYANSE~ダンス」の普及を図っているとのことですが、その普及の取り組み状況についてお示しください。  さらに、環境整備として花いっぱい運動を展開することになっていますが、花の育成にはそれなりの時間がかかりますし、大会時期に合わせて開花させなければならないなど、その管理等には神経を使うことも多いかと考えます。  そこで、花いっぱい運動について、来年度の県の取り組みがどのようになっているのか、お示しください。  私も、鹿児島国体阿久根市実行委員会の顧問として、大会に向けた市の準備状況について認識を共有させていただいておりますが、地元の方から、宿泊所不足を懸念する声を聞きます。  確かに、阿久根市はもとより北薩地域全体を見ましても、ホテルが少ない一方で、正式競技が八種目、特別競技が一種目、デモンストレーション競技が七種目、開催されることになっています。  二年後には、西郷どん効果による観光客の増加があると考えます。また、肥薩おれんじ鉄道沿線では、同鉄道を舞台とした映画「RAILWAYS3」の公開が予定されており、それに伴う国内観光客の増加も見込んでおります。また、インバウンドの好調な伸びを見れば、外国人観光客数も伸びていくであろうと思っております。そうした中での国体の開催でございます。  このような状況で、選手、随行者、観客のための宿泊所をしっかりと確保する必要がありますし、一方で、観光客の宿泊所の確保も考えておかなければならないと思います。  そこでまず、県は、国体・全国障害者スポーツ大会への選手、監督など、参加者数をどのくらいと試算されているのか、また、そのうち北薩地域の参加者はどれぐらいと試算されているのか、お示しください。  次に、宿泊施設の確保について、どのような対策を考えておられるのかもお示しください。  去る二月一日、肥薩おれんじ鉄道活性化に係る意見交換会が薩摩川内市で開催されました。出席した沿線市議会議員から、「国体が開催されるときには、選手の輸送手段として、ぜひともおれんじ鉄道を使っていただくような取り組みが必要ではないか」との意見が出されました。  そこで、国体開催中の肥薩おれんじ鉄道のPRと利用促進について、県のお考えをお示しください。  昨年七月、聴覚障害者のオリンピックであるデフリンピックがトルコで開かれ、日本の女子バレーボールチームが金メダルを獲得いたしております。金メダルを獲得した女子バレーボールチームには、阿久根市出身の尾塚愛実さんが代表メンバーとして出場し、昨年九月には、金メダル獲得の御報告を三反園知事にもさせていただいたところでございます。  障害者スポーツに関しましても、我が県には尾塚さんのようにトップクラスの選手もおられますし、また、日ごろから地域で障害者スポーツに熱心に取り組んでおられる選手や指導者の皆さんもたくさんおられます。  鹿児島大会は、我が県障害者スポーツの普及・拡大の絶好のチャンスですので、県の取り組みには大きな期待がかかります。  そこで伺います。  全国障害者スポーツ大会への参加選手の確保・育成状況についてお示しください。  また、団体競技チームの確保・育成状況についてもあわせてお示しください。  続いて、農業教育についてお伺いいたします。  先日のジビエサミットで、ひときわ人だかりができていたブースがございます。鶴翔高校のブースです。柔軟な発想で商品を生み出し、ジビエの普及に大きな成果を上げる生徒たちの存在をとても心強く感じております。  県内では十一の農業高校の生徒たちが、次世代の農業を担うため農業技術や知識の習得に励んでいます。知事も、市来農芸高校で生徒たちと意見交換され、「生徒たちの志や率直な思いを聞いて、大変頼もしく感じた」と言っておられました。私も、生徒たちの学習成果を見聞きするたび、またさまざまなイベントで自分たちが育てた農畜産物を元気にPRする姿に触れるたびに、大変明るい気持ちになります。と同時に、農業を志す若者が一人でも多く育つ環境整備や、農業所得を向上させるために何をすべきか考える日々でございます。  一昨年には、農業教育振興のために、農業高校教員OBを中心とした団体も設立されております。農業教育の現場をよく知る皆様方から、私も大いに学ばせていただきたいと思っているところです。  前置きが長くなりましたけれども、農業教育の現場についてお伺いいたします。  先日、県民連合の代表質問でも取り上げておられましたけれども、全国和牛能力共進会宮城大会で我が県が日本一に輝いた喜びが冷めやらぬことし一月、JA全農が主催した第一回和牛甲子園が東京で開催されました。鹿屋農業高校が肉質審査で最優秀賞を獲得しており、我が県の高校生の頑張りには誇らしさを感じます。
     そこで伺います。  県は、畜産教育においてどのような指導をしているのか、お示しください。  また、今大会で得られた課題と、その課題を今後の畜産教育にどのようにつなげていくのか、お示しください。  次に、これも県民連合さんで取り上げられました、日本学校農業クラブの全国大会についてお伺いします。  先日の古川教育長の御答弁では、「農業高校の生徒など全国から約五千人が集まり、幾つかの会場に分かれ、テーマに沿ったプロジェクト発表や意見発表を行う」とのことでした。各農業高校では今、大会に向けた準備を進めていることと思います。  そこで伺います。  全国大会に向けた各高校の取り組みについてお示しください。  また、大会の運営に向けた生徒たちの取り組みについてお示しください。  五千人規模と大変大きな大会が我が県で行われるということで、県内の農業教育にとっても貴重な機会となるかと思います。県として、この大会を農業高校活性化にどのようにつなげていこうと考えておられるのか、お示しください。  さて、我が県の高校生の活躍はまだまだございます。昨年十二月、東京で開催された第六回エコワングランプリでは、ナガウニを液肥化し、稲の収穫量アップにつなげた鶴翔高校の活動が内閣総理大臣賞を獲得いたしました。  ウニが海藻を食べる食害が磯焼けの原因ではないかとも言われているため、漁期が終わると、残ったウニは拾い上げて、潰すという作業を現場では行っております。そこには相当の労力が費やされているのが現状です。  こうした漁業現場の厄介者を農業振興につなげようという活動は、大変画期的で意義あるものです。生徒たちの発想力、そして現場で指導された先生方の御尽力には心から敬意を表したいと思います。  そこで、エコワングランプリの概要と、県立高校でのエコ活動に対する県の指導体制についてお示しください。  また、鶴翔高校の活動の成果を今後どのように地元にフィードバックしていこうと考えておられるのか、お示しください。  これで、一回目の質問を終わります。 15 ◯危機管理局長(田崎寛二君)危機管理関係についてのお尋ねのうち、まず、原子力防災訓練における新たな取り組みの成果と課題についてであります。  今年度新たに実施した訓練のうち、阿久根市から熊本県津奈木町への広域避難訓練においては、住民の受け入れの手順や体制などを確認したほか、防災講習会を開催し、原子力防災の基礎知識等について理解を深めていただきました。長島地区では、実動組織と連携して、ヘリコプターによる急患搬送や船舶による物資輸送を行い、孤立化した場合の対応の手順等を確認いたしました。また、車椅子利用者も対象とした避難退域時検査や保育園での園児の保護者への引き渡し訓練なども行い、それぞれ手順を確認できたところであります。  訓練後の住民へのアンケートや関係機関による反省会においては、決められた避難ルートが通れない場合における対応が必要、避難元と避難先の市町の連携についてさらなる習熟が必要などの意見が出されたところであります。  今後とも、反省会で出された意見や専門委員会からの御意見なども踏まえ、次回の訓練に生かしてまいります。  原子力災害時の避難手段についてであります。  UPZの避難については、屋内退避を基本とし、空間放射線量の実測値に基づき、地域を特定して一週間程度かけて避難することとしております。避難に当たっては、気象による影響や代替の避難経路、交通手段の確保のしやすさなどを勘案して、自家用車等での避難を基本とし、関係市町の避難計画において、避難手段や避難経路、避難先などが定められております。  また、あらかじめ定められた避難手順等による避難が困難な場合には、避難施設等調整システムにより避難先を確保するとともに、自衛隊などの実動組織が船やヘリコプターなどを活用し、住民の搬送などに当たることとなっております。  県といたしましては、避難計画については不断の見直しが必要であることから、関係市町と連携しながら、より実効性の高いものとなるよう努めてまいります。  操法大会の審査基準についてであります。  操法大会については、消防団員の消防技術の向上と士気の高揚を図るため、二年に一回、同じ年の八月に県大会、十月に全国大会が開催されております。全国大会の審査基準については、大会ごとに定められておりますが、正確性を重視したものとなっております。一方、県大会の審査基準については、これまで、迅速性を強く意識して県で定めており、細かい動作など異なる部分がありました。このため、県大会から全国大会までの訓練期間が短く、消防団員の負担が大きいなどの意見があったことから、消防協会と協議し、平成三十年度から全国大会と同じ審査基準とすることとし、昨年十月の操法大会指導員研修会において説明したところであります。  県といたしましては、消防団員の技術の向上や日々の訓練の成果が全国大会においても十分発揮されるよう、県内消防本部、消防協会と連携を図りながら取り組んでまいります。  県防災アドバイザーの役割や活動実績等についてであります。  県におきましては、県民の防災意識の高揚を図るため、地震や火山等の専門家である大学の教授等四名を専門防災アドバイザーとして、また、各地域で自主防災組織の活動の促進に携わっている十名を地域防災アドバイザーとして、県防災研修センターに配置しております。今年度は、一月末までに、住民等を対象とした防災講話等に二十五回、小・中学生を対象とした防災を学ぶ研修会等に二十三回、地域防災リーダー養成講座に四回など、八十回の講座に出席し、講話等を行ったところであります。  県といたしましては、今後とも、県防災アドバイザーを活用しながら、県民の防災意識の向上に努めてまいります。 16 ◯国体・全国障害者スポーツ大会局長(中薗良郎君)国体・全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについてであります。  初めに、大会ボランティアの養成についてであります。  鹿児島国体・鹿児島大会では、両大会を支えるため、多くの方々にボランティアとして活動していただくこととしており、今年度は、イベントなどでPRを行う広報ボランティアとして大学生などを登録したところであります。  また、手話や筆談などを行う情報支援ボランティアについては、養成カリキュラムなどを作成するとともに、先月には、昨年の愛媛大会のボランティアリーダーを講師に招き、具体的な活動内容について研修会を開催したところであります。  来年度は、これらのボランティアに加え、おもてなしなどを行う大会運営ボランティアの募集・研修を行うとともに、選手などの介助を行う選手団サポートボランティアについては、大学や福祉関係の専門学校などを養成協力校として委嘱し、養成カリキュラムなどの作成を行うこととしております。  続きまして、ダンスの普及と花いっぱい運動の取り組みについてであります。  ダンスの普及については、今年度、プロモーションレッスン映像をホームページに掲載するとともに、DVDを市町村や学校、ダンス教室などに配布したところであります。また、学校や地域などにおける指導者を養成するため、幼稚園や小・中学校の教諭、保育士、ダンスに関心のある方々を対象に、県内七地区で講習会を開催したところであります。  来年度は、広報ボランティアによるPR活動などで活用するほか、引き続き講習会を開催し、学校や市町村などのイベントにおける活用・普及を図ることとしております。  花いっぱい運動については、今年度、農業系高校で推奨花の試験栽培を行い、栽培方法や留意点などを花育てガイドとして作成し、市町村や自治会などに配布することとしております。  来年度は、市町村において、競技会場や沿道などの装花場所や、花の育成団体などに係る花いっぱい運動実施計画を策定するほか、農業系高校などで育苗した苗や種、プランターなどを自治会や学校などに配布するとともに、県内五地区で花育て教室を開催することとしております。  次に、国体の参加者数と宿泊施設の確保についてであります。  昨年、愛媛県で開催された国体の選手、監督などの大会参加者数は約三万八千人、延べ宿泊者数は十四万三千人で、全国障害者スポーツ大会ではそれぞれ、約六千三百人、二万七千人となっており、鹿児島国体・鹿児島大会でも同程度を見込んでおります。  また、北薩地域の三市一町で行われる国体の正式競技などには約四千七百人が参加し、延べ宿泊者数は一万九千人程度を見込んでおります。  これらの大会参加者は、原則として会場地市町村のホテル・旅館などに宿泊することとしており、来年度は、宿泊施設の客室数などの実態調査や各都道府県の宿泊意向調査を行い、宿舎が不足する場合は、宿泊施設への客室提供の要請や、近隣市町村の宿泊施設を利用する広域配宿などを検討することとしております。  次に、国体の選手輸送と肥薩おれんじ鉄道のPR、利用促進についてであります。  国体の選手、監督などの大会参加者については、円滑な競技運営を図るため、宿泊施設から各競技会場までは、先催県の取り組みを参考に貸し切りバスなどによる計画輸送を検討しております。一方、全国各地から県内の宿泊施設までの交通手段については各都道府県で決定することから、来年度以降行う来県方法の意向調査の際に、肥薩おれんじ鉄道についても情報を提供して、利用促進に努めたいと考えております。  また、肥薩おれんじ鉄道は地域の観光資源であることから、会場地市町村や同鉄道などとも連携を図りながら、大会期間中に、沿線の魅力の積極的な情報発信に努めるとともに、国体などの一般観覧者などに実際に乗車していただけるような取り組みについても実施できるよう検討してまいります。 17 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)全国障害者スポーツ大会の参加選手の確保・育成等の状況についてであります。  県におきましては、第二十回全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」に向けて、参加選手の確保・育成を図るため、障害者スポーツの体験教室やレベルアップ教室の開催、指導者の養成、団体競技チームへの活動費の助成等を行っております。  また、団体競技については、最大十二チームが出場可能となっており、既に十一チームが編成され、残る一チームについても編成に努めているところであります。  今後とも、障害者団体や競技団体等と連携を図り、選手の確保・育成や障害者スポーツの普及・拡大に取り組んでまいります。 18 ◯教育長(古川仲二君)農業教育についてのお尋ねのうち、まず、本県の畜産教育に係る指導についてでございます。  農業高校での畜産教育は、家畜の飼育と畜産経営に必要な知識と技術を習得させ、家畜の特性や飼育環境を理解させるとともに、合理的な家畜管理と品質や生産性の向上を図る能力と態度を育てることを目的といたしております。  各学校では、地域の先進農家や法人との連携を図りながら、日ごろから、家畜飼育に応用できる体系的な知識と技術の習得に取り組んでいるところでございます。  県教委といたしましては、各学校に対し、共進会等への参加を奨励してきたところでございまして、昨年の全国和牛能力共進会や今回の和牛甲子園において、これまでの取り組みが高く評価されたものと考えております。  今後とも、関係機関と連携しながら、各学校の取り組みを支援してまいります。  次に、和牛甲子園の課題等についてでございます。  今大会では、鹿屋農業高校が肉質部門において最優秀賞を受賞し、日ごろの活動内容についての評価も含めた総合部門におきましては、第二位を獲得いたしました。この結果を踏まえ、肉質のさらなる向上とともに、取り組み内容の効果的な発表方法について、さらに工夫・改善していく必要があると考えております。  参加した生徒からは、「先輩から引き継いだ牛で一席になり、今後につながる結果を残せた」との感想が聞かれ、大会参加が生徒の和牛飼育への意欲の向上につながったものと考えております。  県教委としては、今後、これらの大会の結果が生徒のより一層の意欲的な取り組みにつながるよう、引き続き各農業高校への指導の充実に努めてまいります。  次に、日本学校農業クラブ全国大会についてでございます。  ことし十月に、五十七年ぶりに本県で開催されることになっております同大会では、二日間にわたり、県内七つの会場でプロジェクト発表や意見発表、各種競技が行われる予定でございますが、畜産県鹿児島での開催を踏まえ、七大会ぶりに、生徒が肉牛の比較審査を行う家畜審査競技も実施されることになっているところでございます。  県内の各農業高校におきましては、地域と連携した商品開発などの特色ある取り組みについて、その成果や課題をまとめたり、各種競技への参加へ向けて全国大会の視察を行うなど、計画的な競技力の向上に取り組んでいるところでございます。  今後は、ことし夏の県大会や九州ブロック大会での上位入賞を目指して、各学校が切磋琢磨し、その取り組みの成果を遺憾なく発揮してくれることを期待いたしているところでございます。  次に、日本学校農業クラブ全国大会に向けた運営についてであります。  大会の運営に向けては、昨年二月に県内各農業高校の代表による生徒実行委員会を立ち上げ、これまで、開・閉会式や競技の運営、各種会議の進行などについて協議を重ねるとともに、昨年八月の生徒実行委員会の宿泊研修や、十月に開催された岡山県での全国大会への視察を通して、大会運営のあり方の研修を行っております。  さらに、昨年十一月には、鹿児島市内での一年前イベントとして、カウントダウンボードの披露や大会ポスターの展示を行うなど、県民に対する周知に努めているところであり、このような活動を通して、生徒一人一人の大会への成功に向けた意識の高揚も図られてきたものと考えております。  今後は、大会当日の生徒による取材方法やアナウンス等についての講習会を開催したり、県大会を全国大会のリハーサルとして同じ会場で実施するなど、運営上のさまざまな課題に対し、一つ一つ確実に取り組んでいくことといたしております。  次に、日本学校農業クラブ全国大会開催後の農業高校の活性化についてであります。  本県で開催される全国大会では、農業に関する研究発表や技術競技会などが実施されることになっておりまして、競技への参加者はもちろん、本県農業高校の全ての生徒にとって、知識や技能のさらなる向上につながる契機となるものと考えております。また、大会で発表される各高校の活動成果は、新しい農業技術の進展や地域活性化の契機となるなど、その成果に期待が寄せられております。  一方、この大会は、生徒を主体とした運営がなされることになっておりまして、全国の農業クラブ員が相互に交流を深め、共感と感動を得られる大会となるよう取り組んでおります。  県教委といたしましては、この大会の成果が県内農業高校に広く浸透し、今後の農業高校の活性化につながるよう、必要な支援をしてまいりたいと考えております。  次に、エコワングランプリの概要と県の指導体制についてでございます。  エコワングランプリは、学校単位で取り組んでいるエコ活動を審査する民間団体主催の全国規模のコンテストであり、第六回目となる今回は、全国九十六校の百八点の応募の中から、鶴翔高校が研究・専門部門で全国一位の内閣総理大臣賞を九州の高校として初めて受賞いたしました。  本県の高校においては、環境教育の一環としてエコ活動に取り組んでおり、例えば、屋久島高校の環境コースで動植物の生態調査や野外実習を行っておりますほか、薩南工業高校では、植物を原料とした固形燃料の研究に取り組んでいるところでございます。また、錦江湾高校は、国からスーパーサイエンスハイスクールに指定され、研究テーマの一つとして、パッションフルーツの果皮から抽出いたしました天然着色料の開発などに取り組んでおります。  県教委といたしましては、このようなエコ活動も含めた探求的な学習活動について、各学校の実践事例を広く紹介するなどして、各校の取り組みが充実していくよう支援してまいります。  次に、鶴翔高校の活動成果の地元へのフィードバックについてであります。  鶴翔高校は、廃棄ウニについての地域課題を解決するために、駆除したウニの発酵液を肥料として農業分野に生かすことをテーマに、四年間継続した取り組みを行っておりまして、この取り組みが、廃棄ウニの再利用と同時に土壌改良にもつながる環境保全型農業の技術開発として高く評価されたところでございます。  この研究活動は、地元阿久根市の広報誌への掲載や阿久根駅構内での研究発表などを通しまして、広く紹介されたところでございますが、生徒の一人は、「勉強してきたことを来年からの自分たちの研究に生かしていきたい」と話しており、今後は新たな地域課題に向けて取り組んでいくと聞いております。  県教委といたしましては、このような探求的な取り組みが地域の課題解決につながるよう、今後も指導・助言に努めてまいりたいと考えております。    [中村素子君登壇] 19 ◯中村素子君 それぞれ御答弁いただきましたが、コメントは最後にまとめていたしたいと思いますので、質問を続けます。  農政の取り組みについてお伺いいたします。  まず、ジビエの普及の取り組みについてお伺いしたいと思います。  去る一月二十五日から二十七日にかけて、日本ジビエ振興協会主催の第四回日本ジビエサミット鹿児島大会が開催されました。ちょうど一年前の一般質問におきまして、ジビエサミットに向けた県の取り組みについてお伺いいたしたところでございますが、今大会では、県も共催として大会を支援、また、サミットを盛り上げるためのさまざまな施策を展開していただきました。開会式には知事もみずから御臨席され、鹿児島大会は大変盛況のうちに終了したとうれしく思っております。日本ジビエ振興協会の藤木代表理事とお話いたしましたところ、「鹿児島県はとてもよく協力してくださいました」と大変喜んでおられました。  新聞、テレビ等のニュースでわかりますように、有害鳥獣をジビエとして利用する動きは、ここ数年で一段と加速いたしております。国は、ジビエの利用量を来年には、現在の量から倍増させることを目標に掲げ、そのための衛生基準や流通体系の整備・充実化を図ろうとしています。  私は昨年、和歌山県で開催された第三回大会を視察いたしましたが、この一年で、ドローンを使った監視や、わなの作動をメールで受け取ることができる監視システムなど、労力軽減を図る装置等の充実化が見られ、解体処理車につきましても保冷装置のついた小型車の開発が進むなど、有害鳥獣捕獲関連産業も国の動きと連動して大きく進化していることを実感したところです。  また、ジビエの提供のあり方についても幅を広げる工夫がなされ、今大会では、地域性を生かしたジビエの利用、つまり、地域の農産品や特産品とのマリアージュ、組み合わせという意味ですけれども、そういう視点が加わり、会場でも、県産の焼酎やウイスキー、ジンとジビエ肉のマリアージュという形で試食が提供されておりました。実際に食してみましたが、組み合わせとしては大変よかったと思います。  さらに、観光とジビエという視点も新たに取り込まれ、各分野でジビエに対するさまざまなアプローチが展開されるようになってきております。  そこで伺います。  日本ジビエサミット鹿児島大会の成果と今後のジビエ普及について、県の取り組みをお示しください。  また、肉質の安全性を確保し、本格流通につなげるため、国は来年度、ジビエ処理加工施設の衛生管理の認証制度を導入するとのことでした。  そこで、この認証制度の概要と県の対応についてお示しください。  さらに、移動式解体処理車、いわゆるジビエカーの施設基準についてですが、ジビエカーは、放血から解体までの時間を最小限にすることができ、安全で良質なジビエが得られるとともに、捕獲者による処理加工施設への運搬の手間を省力化することができるとされており、製造メーカーによると、平成三十年二月現在、全国で二台納車したとのことであります。  ジビエの利活用が期待される中で、農林水産省が示す政策を見ますと、ジビエカーの導入を進める方向にあり、そのため、国は、自動車で野生鳥獣を解体する食肉処理業の施設基準ガイドラインの案を作成し、一月二十六日から二月二十六日にかけてパブリックコメントを実施いたしております。  そこで伺います。  現在、国が示しているガイドライン案の概要と県の対応方針についてお示しください。  続きまして、かごしまブランドについてお伺いいたします。  本県では、安心・安全で品質のよい農畜産物を安定的に出荷できる競争力の高い産地づくりと県産農畜産物のイメージアップを図るため、平成元年度にかごしまブランド確立運動を開始し、現在、十九品目二十五産地がかごしまブランド産地として指定を受けているところです。  本議会の施政方針では、「制度創設から三十年近く経過したかごしまブランドについて、近年の生産・流通・消費環境の大きな変化を踏まえ、本県農畜産物のさらなるブランド力向上を図るため、今年度、有識者や農業関係者、流通関係者等による検討会を開催し、ブランド戦略の見直しを進めていく」とのことでした。  そこで伺います。
     検討会ではどのような意見が出されたのか。  また、それらの意見を踏まえ、今後どのように取り組みを進めていくつもりか、お示しください。  最後に、水産振興についてお伺いいたします。  我が県の水産品輸出に関しては、ブリ輸出が堅調であり、海外で日本食がブームから定着に変わっていくであろうことに伴い、今後も順調に伸びていくものと大いに期待いたしているところです。  養殖ブリは、昨年からことしにかけて値段も非常によく、地元の旧東町の港は活況を呈しています。東町漁協では、漁業は安定し将来性も見込まれる職業として、親も安心して子供に継がせることができる状況で、組合長は、「後継者不足の懸念はない」ときっぱりとおっしゃっています。もちろんこうした背景には、漁協の絶え間ない努力に加え、県の赤潮対策、人工種苗生産等の取り組みがあってのことと大変感謝いたしております。  養殖漁業が大変順調な一方で、漁船漁業につきましては、漁業従事者の減少が著しく、後継者もいない状況です。北さつま漁協でも、その努力とは裏腹に、後継者対策や漁村の活性化対策には大変苦戦しているのが現状です。  養殖漁業と漁船漁業、二つの対照的な水産振興を地元で目の当たりにしている立場としましては、特に漁船漁業の再生を急がなければならないと強く思うところです。  そこで、県の来年度予算の新規事業を中心にお伺いいたします。  担い手不足への対応として、新たに漁業学校を創設することとし、二百四十万円余りの予算を計上しておられます。  そこでまず、近年の新規就業者の推移をお示しください。  そして、この漁業学校の内容と期待される効果についてお示しください。  担い手の育成を進める一方で、肝心の魚がとれなければ、新規就業者も定着せず、既存の漁民の漁業離れも加速してしまいます。そのため、水産資源の適正な管理を行うことや、水産生物の生育の場である藻場を確保していくことを一体的に行い、生産性の高い、将来性のある漁船漁業を取り戻すための取り組みをさらに強化する必要があると考えます。  そこで、漁業調査船による漁業調査の現状と今後の取り組みについてお示しください。  また、近年海水温が上がり、海中の環境に大きな変化があると言われています。実際、阿久根市と長島町に挟まれた、日本三大急流の一つである黒之瀬戸海峡におきましても、以前は見られなかったテーブルサンゴが群生していると、地元の漁師さんから教えていただきました。藻場の造成に当たっては、こうした海水温上昇に伴うと思われる海中環境の変化に対応しながら進めていくことが肝要ではないかと考えます。  そこで、藻場の現状と藻場造成について、県の取り組みについてお示しください。  これで、全ての質問を終わります。    [知事三反園 訓君登壇] 20 ◯知事(三反園 訓君)ジビエサミットの成果と今後のジビエの普及についてであります。  先般、本県で開催されました第四回日本ジビエサミットにおきましては、全国から、捕獲、処理加工、流通販売などにかかわる延べおよそ一千名の関係者の方々の参加のもと、解体処理、加工技術、衛生管理などに関する各種セミナーなどが実施されました。ジビエの本格流通に向けた関係者の意識醸成が図られ、ジビエの有効活用を通じた鳥獣被害の軽減や、地方創生への取り組みが今後一層進展するものと期待しております。  サミットのプレイベントとして、県庁食堂でジビエランチを提供させていただきました。初日には、議長を初め、県議会鳥獣被害対策議員連盟の皆様にも参加いただきまして、ジビエ料理を味わう会を開催させていただきましたけれども、口の中に広がる肉汁など、ジビエのおいしさを改めて実感いたしました。  また、鹿児島市内十六店舗の協力をいただきまして、ジビエレストランフェアも開催いたしましたが、これらの取り組みを通じまして、県民の方々のジビエに対する認知度向上とイメージアップが図られたのではないかと考えております。  本県は、豊富な農畜水産物に恵まれておりますが、中山間地域や離島などにおける鳥獣被害は、地域の農業振興を図る上で大きな課題となっております。ジビエは脂肪が少なく栄養価も高いとされておりまして、その有効活用を図ることによりまして、地域の新たな観光資源としても期待できるものと考えております。  県といたしましては、捕獲や処理加工、流通販売にかかわる皆さんと力を合わせながら、ジビエの普及、利活用をどんどん進め、鳥獣被害の軽減と地域の振興につなげていきたいと考えております。 21 ◯農政部長(川野敏彦君)ジビエ処理加工施設を対象とする衛生管理の認証制度についてでございます。  国においては、全国統一の衛生管理基準や流通規格を定めたジビエの認証制度を創設することとしております。認証を受けるには、肉のカット作業の手順を守っていること、衛生管理ガイドラインを遵守していることなどの要件を満たす必要があります。国では、今後、認証機関を指定した上で、ことしの夏ごろには、認証を受けたジビエの流通開始を目指していると聞いております。  県としましては、県内の処理加工施設における認証取得を促進することにより、ジビエの本格的な流通と利活用の拡大を図ってまいりたいと考えております。  次に、かごしまブランドの見直しについてでございます。  制度創設から三十年近く経過し、かごしまブランドを取り巻く環境は大きく変化してきております。県では、生産者や流通関係者等からヒアリングを重ねた上で、有識者等による検討会を設置し、検証を進めてきました。検討会では、春の商材など、他県に先駆けて出荷できる鹿児島の強みを前面に打ち出すこと、産地規模の縮小に対応した生産対策の強化、また、実際に消費者の手にとってもらうための工夫が必要であるなどの御意見をいただいたところです。  検討会の意見を踏まえ、県といたしましては、鹿児島の強みを生かせる産品の指定・磨き上げや、幅広い生産者の参画による安定的な生産体制の確立、さらに、消費者コミュニケーションの充実・強化などを図る必要があると考えております。  このように、鹿児島の強みを生かし、しっかりつくり、伝えるという三つの視点から引き続き検討を重ねまして、来年度のかごしまブランド推進本部会議において、新たな戦略として取りまとめることとしております。 22 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)移動式解体処理車の施設基準についてであります。  国は、野生鳥獣肉の食肉としての利活用が推進される中で、移動式解体処理車の開発等が進んでいるとして、同処理車に係る衛生基準を定めるガイドライン案を作成したところであります。同ガイドライン案においては、野生鳥獣の洗浄設備、使用する器具の洗浄消毒設備、給水給湯設備、汚水槽、冷蔵庫等の搭載が必要であるとした上で、具体的な基準が定められているところであります。  県といたしましては、今後定められる国のガイドラインや本県における導入意向を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。 23 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)水産振興についての御質問のうち、まず、漁業学校についてでございます。  新規漁業就業者数の推移につきましては、県の調査によりますと、平成十四年から二十八年までの十五年間では、多い年で百七十八名、少ない年では三十七名と、年により変動が見られるところでございます。そのうち、UIターン者及び新規学卒者の五年ごとの合計数で見ますと、平成十四年から十八年までで二百七十六名、平成十九年から二十三年までで百八十六名、平成二十四年から二十八年まででは百三十五名と減少傾向にございます。  このため、県では、漁業就業希望者のためにザ・漁師塾を開催し、入門研修や実践研修を実施してきたところでございますが、平成三十年度は、県漁連に漁業学校を新たに設置することといたしております。この学校では、これまでの研修に加え、原則四カ月の研修期間の中で、漁業制度等を学ぶ座学研修、地元漁業者等との交流を深める漁村適応研修、研修生の適性に合う漁業の選択及び技術を習得する漁労実習を行うことといたしております。  県といたしましては、漁業就業へのきっかけづくりから、就業の適否判断、技術習得を経て、就業、地元定着に至る一連の総合的な支援体制の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。  次に、漁業調査船建造事業についてでございます。  水産技術開発センターにおきましては、漁業調査船くろしおとおおすみの二隻により、重要な資源でございますアジ・サバ・イワシの稚魚やモジャコ等の分布調査、水温、潮流等の海洋観測、赤潮調査等を行っております。これらの情報は、ファクスや県ホームページ等により漁業者等に随時御提供し、漁業操業の効率化や資源の管理と持続的な利用に広く活用されております。  このような中、くろしおは船齢が二十二年と老朽化していることから、最新の設備を備えた代船を建造することとし、平成三十年度当初予算案に必要な経費を計上させていただいたところでございます。  次に、藻場造成の取り組みについてでございます。  藻場は、魚介類の餌場や産卵場として、また水質浄化作用など環境保全にも重要な役割を果たしており、鹿児島湾内ではホンダワラ類の藻場が随所に形成されておりますが、離島や薩摩・大隅両半島などの外海域の多くでは、昭和四十年代前半ごろから藻場の消失が見られ、現在も回復していないところでございます。  藻場の回復を阻害する要因として、ウニや魚などの食害、海藻の種不足などが挙げられることから、水産技術開発センターにおきましては、これまで、各種の藻場造成試験に取り組み、指宿地区などの内湾域や笠沙地区などの比較的静穏な外海域では、藻場を回復させる造成技術を確立したところでございます。また、漁協等が実施しておりますウニの除去、種を供給する母藻の設置及び、県内でふえつつある食害に強い南方系ホンダワラの活用等に対し、技術支援を行っているところでございます。  さらに、藻場の回復や拡大を図りますために、市町村が事業主体となって、自然石等を用いた藻場造成を実施してきており、これまで、阿久根市、長島町などの十六カ所において整備を進めてきたところでございます。  今後とも、市町村や漁協等と連携し、藻場の維持・回復に努めてまいりたいと考えております。    [中村素子君登壇] 24 ◯中村素子君 それぞれ御答弁いただきました。  まず、危機管理についてですが、新規の訓練や従来の訓練の拡充をされたことは、災害発生時の避難体制をより充実させるものであり、県民の安心につながるものとして評価いたしたいと思います。  一たび災害が起きれば、現場が大混乱した中での避難になることは間違いございません。本日は、船による避難について取り上げましたが、あらゆる事態を想定して対応することが必要かと思います。今後も、関係市町としっかりと連携をとって、計画の充実化を図っていただきたいと思います。  消防操法の審査基準についてでございますけれども、先ほど御答弁ありましたように、平成三十年度から全国の基準に合わせるということでございます。これからは、迅速性を重視するよりも正確性を重視していくものと理解いたしました。  県の代表が全国大会でよりよい成績をおさめれば、県内全体の消防団の士気が上がり、日ごろの防災活動にフィードバックされることもたくさんあるのではないかと思います。その意味でも、審査基準は全国大会の基準に早くそろえていただきたいと思っております。  次に、国体・全国障害者スポーツ大会についてでございます。私も先日、県のホームページで「ゆめ~KIBAIYANSE~ダンス」のプロモーションムービーを見ました。大会を盛り上げる一人として私自身も踊れるようになりたいと思ったところでございます。皆さんも踊れるようになってください。  そして、きょうも傍聴席には、三度の飯と島美人の次にダンスが好きな地元の商工会の女性の皆さんが来てくださっています。私自身もさまざまな機会を捉えて、各地域の女性団体の皆様にもこのダンスを御紹介したいと思っております。  また、国体は、県内を広く知っていただく絶好のチャンスでもあります。選手や随行者の皆さんにはできるだけ各地の会場付近に宿泊していただき、その地域を見て、地のものを食べていただきたい、あるいは、おれんじ鉄道にも乗っていただきたいと思っております。  県内各地に国体の効果が生じるように、県には引き続き取り組みをお願いいたします。  全国障害者スポーツ大会におきましては、先ほど御紹介いたしました尾塚愛実さんを中心として、ぜひともデフバレーをチーム化していただきまして、我が県の代表として出場する機会をつくっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  農業教育につきまして、我が県の高校生たちは非常によく頑張っています。中でも、本日取り上げました畜産につきましては、五年後の全国和牛能力共進会鹿児島大会において、彼らが生産者の中心的役割を担う人材となるかと思います。畜産教育には今後も力を入れていただきたいと思います。  また、先ほどありました花いっぱい運動にも、苗づくりに農業高校の皆さんが協力してくださるということでございます。その力、非常に心強く思います。  それから農政の取り組み、ジビエの普及についてでございます。  国は、今後もジビエの利用拡大を進めて、流通においてはジビエコーディネーターの配置を図るなど、取り組みをますます加速する方向にあります。県でも、国の動きとしっかりと連動して対応していただきたいと思っております。  私も期間中にジビエをたくさん食べました。気のせいか、次の日はお肌がきんごきんごしておりました。  ちなみに、言うまでもございませんけれども、鹿児島県の「鹿」はシカでございます。また、西郷どんの趣味は狩猟であったと聞いております。大河ドラマでも、西郷どんが熊吉とシシ狩りする姿が描かれておりました。ほかの県にはないPRの方法をフル活用して、ジビエの振興を図っていただきたいと思います。  かごしまブランドの見直しについてですが、かごしまブランドの最終的な目的は、農家所得の向上です。  私の家の周りから年々、実エンドウ畑が消えております。実エンドウは絶えてほしくない農作物の一つでございます。農家所得が上がれば、若い方も実エンドウをつくってくださるのではないかと思います。その意味でも、県には、かごしまブランドによる好循環の創出に引き続き全力で取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。  水産振興についてです。  漁業学校については、丁寧な人材育成で一人でも多く新規就業者の定着を図ろうという事業であり、県が担い手不足に対して真剣に取り組んでくださっていることがよくわかります。先ほど数字を出していただきましたけれども、直近五年で百三十五人しか新規就業者がいないということは、比較が正しいかわかりませんけれども、農業と比べて非常に少ない状況であると思っております。引き続き、県には取り組みを強化していただきたいと思っております。  藻場の造成につきまして、地元の漁師さんたちからも、県によくよく頼んでほしいという声を受けております。藻場の造成にはしっかりと取り組んでいただき、また、新たに導入される調査船等により漁業調査もしっかりとしていただいて、漁村の再生につなげていただきたいと思います。  また、ウニの除去については、鶴翔高校の活動というのは、一つまた非常に強力な手段になるのではないかと思ったところでございます。  さて、昨年十一月、南九州西回り自動車道出水阿久根道路が全線開通いたしました。これまで長い間、国、県、地元の多くの先輩方がこの悲願の道路建設に御尽力してこられました。長い時間を経て、ようやく私たちの時代に開通の瞬間を迎えたわけです。この道路は、先輩方から私たち世代への贈り物であり、同時に、この道路を生かして地域の発展につなげよという先輩方からのバトンでもあると思っております。  ちなみに、道路の開通で、我が家から出水までの移動時間が片道約十分短縮されました。私は、年間少なくとも百五十回、家と出水を往復いたしております。片道十分掛ける百五十往復で三千分、これは五十時間となります。さらに、この五十時間は、二日と二時間ということになります。これが先輩たちから私への大変わかりやすい贈り物であると思っております。浮いた二日と二時間はしっかりと地元のために働けというメッセージであろうと思っております。  その声にしっかりと応えるべく、日々の活動を丁寧に積み重ねていくことを申し上げて、私の一般質問を終了いたします。  御清聴本当にありがとうございました。(拍手) 25 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        正  午   休憩       ───────────        午後一時十五分再開 26 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  柳誠子君に発言を許可いたします。    [柳 誠子君登壇](拍手) 27 ◯柳 誠子君 県民連合の柳誠子でございます。  通告に従いまして、一般質問を行ってまいります。  今、大きな社会問題になっております学校の働き方改革につきましては、今議会でも、代表質問を含め四人の議員が取り上げております。学校現場の深刻な状況が一刻も早く改善されるよう期待しつつ、質問を行ってまいります。  文部科学省では、昨年六月二十二日に、学校における働き方改革に関する総合的な方策について中央教育審議会に諮問を行い、同年十二月二十二日、中教審において中間まとめが取りまとめられました。文科省は、これを踏まえ、本年二月九日、学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに、学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取り組みの徹底について、通知文を発出しています。  そこでお尋ねします。  中教審の中間まとめや文科省の緊急対策、通知を県はどのように受けとめておられるのか、見解をお示しください。  私が、学校の業務改善について教職員の方々に行った調査では、子供たちの登校時の見守り活動、朝の清掃指導、学校行事の練習指導、体力づくりのための運動への付き添いなどの業務がボランティアとされて、当たり前のように勤務時間前に行うことが慣例になっている現状の改善を求める意見が最も多くなっています。  中教審の中間まとめには、登下校における見守り活動の日常的・直接的な実施については、基本的には学校・教師の本来的な業務ではなく、地方公共団体や保護者、地域住民など、学校以外が担うべき業務であると記されており、文科省通知の勤務時間管理の徹底及び適正な勤務時間の設定についてには、「校長は、時間外勤務を命ずることはできないことを踏まえ、早朝や夜間等通常の勤務時間以外の時間帯に業務を命ずる場合、服務監督権者は、正規の勤務時間の割り振りを適正に行うなどの措置を講ずるよう徹底すること」といったことなどが記されております。  そこでお尋ねします。  教職員の朝の時間外勤務を解消するために、関係機関や地域の協力を要請するためには、時間をかけて理解を求めていく必要があり、今すぐには困難であろうと思いますので、県教育委員会として、時間をかけて条件整備していただきたいと思いますが、勤務時間前の子供たちの活動は、絶対にやらなければならない活動かどうか検討して、なくせるものはなくすことや、早朝勤務せざるを得ない教職員の勤務時間の割り振りを適正に行うことは、学校長単独ですぐに実施できる有効な手段であることから、早急に通知等を発出して、服務監督権者である市町村教育委員会並びに管理監督者である学校長を指導すべきであると考えますが、見解をお示しください。  また、八時十五分の勤務開始と同時に教室での朝の会等が始まることから、欠席の子供の確認や保護者への折り返しの電話、子供たちが持ってきた提出物の受け取り・確認など数々の朝の業務も勤務時間外に行わざるを得ない状況であり、その改善を求める声も今回の調査で数多く寄せられました。  さらに、かつての学校では、勤務開始時刻から朝の会等の始まりまでの間に、十五分程度の一定の業務時間が設けてあったことも、調査の中で明らかになりました。  勤務開始時刻から朝の会等の始まりまでの間に一定の業務時間を設けることも、教職員の朝の超過勤務削減のために学校長単独ですぐに実施できる有効な手段であることから、学校長に指導すべきであると考えますが、見解をお示しください。  中教審の中間まとめや文科省通知には、授業時数の設定等における配慮として、標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画している場合には、指導体制の整備状況を踏まえて精査し、教師の時間外勤務の増加につながらないよう、各学校における教育課程の編成・実施に当たっては、教師の働き方改革に十分配慮することと記されています。  本県においては、台風やインフルエンザで学校が休校等になった場合の予備の授業時間、いわゆる予備時数に関する現場からの質問に対して、「三十から三十五時間程度あれば対応可能である」と回答している市町村教育委員会がある一方で、今現在、予備時数を五十から八十時間以上とっている学校が相当数あり、これが時間外勤務の増加につながっているという学校現場からの声も数多く寄せられております。  そこで、県内の小・中学校の学年ごとの最も少ない予備時数と最も多い予備時数をお示しください。  また、今後、中教審の中間まとめや文科省通知がいうところの働き方改革に十分配慮する観点から、適正な予備時数について、県教委内の学校の業務改善推進委員会等で議論し、標準時数を大きく上回る授業時数を計画する学校がないよう、通知、指導すべきであると思いますが、見解を求めます。  県教委の学校における業務改善方針案には、勤務時間管理の徹底、管理職のマネジメント、業務改善に関する教職員の研修、学校評価の活用等に関する記述はあるものの、中教審の中間まとめや文科省通知に記載されている、校長が学校の重点目標や経営方針に教職員の働き方に関する視点を盛り込み、管理職がその目標・方針に沿って学校経営を行う意識を持つとともに、教職員一人一人が業務改善意識を持って進めるため、各教職員が実施した担当業務の適正化の取り組みを積極的に評価するなど、人事評価の活用を推進することや、教育委員会が策定する業務改善方針・計画や、実施する業務改善の取り組みについて、毎年度実施する教育委員会の自己点検・評価の中で取り上げることについては全く示されておりません。  校長が、学校の重点目標や経営方針に教職員の働き方に関する視点を盛り込むことは、学校長のリーダーシップに基づく全教職員による業務改善の取り組みには欠かせないばかりでなく、新年度に向けてすぐにでもできる取り組みです。今回示されている業務改善方針案に記載するとともに、全ての学校長に早急に指導すべき内容であると思いますが、見解を求めます。  また、教職員一人一人が業務改善の意識を持って取り組んでいくために、教職員の人事評価の項目にこうした観点を盛り込むなど、人事評価の積極的な活用も今後検討すべき重要な課題であると思いますが、考えをお示しください。
     県教育委員会や市町村教育委員会が策定する業務改善方針・計画や、業務改善の取り組みについて、毎年度実施する教育委員会の自己点検・評価の中で取り上げることは、学校の業務改善に対する教育行政のリーダーシップを高める上で極めて重要です。業務改善方針案に記載すべきであると思いますが、見解をお示しください。  市町村立学校の業務改善を進める上では、教職員の服務監督権者である市町村教育委員会の意識改革とリーダーシップが欠かせません。学校における業務改善方針案がパブリックコメントを経て確定した後、どのようなスケジュールで市町村教育委員会に対し業務改善方針の策定を要請されるのか、お答えください。  これで、一回目の質問といたします。 28 ◯教育長(古川仲二君)中央教育審議会の中間まとめ等に対する見解について、まずお答えいたします。  中央教育審議会の中間まとめは、文部科学省の緊急対策におきましては、学校・教師が担う業務の明確化を通じた役割分担と業務の適正化や、学校が作成する計画等の見直し等の観点から、学校における働き方改革の基本的な考え方と、取り組むべき具体的な方策が示されたものと認識いたしております。  県教委におきましては、これらを踏まえまして、今般、学校における業務改善方針案を取りまとめたところでございまして、本方針に基づいて、本県における働き方改革を着実に推進することにいたしております。  また、先般の文部科学省通知におきましては、勤務時間管理の徹底や適正な勤務時間の設定、教職員全体の働き方に関する意識改革など、教育委員会が取り組むべき方策が示されたところでございまして、今後、中間まとめや緊急対策も参考に、本県の実情も踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、各学校独自にできる有効な手段についてでございます。  県教委におきましては、来年度の早い時期に、教員の長時間勤務要因分析調査を実施するとともに、モデル地域での調査研究について、来年度も引き続き行うことにいたしております。  また、これらの調査結果や調査研究の成果等を踏まえて、新たに設置する市町村教育長やPTA等の代表者から成る業務改善方策検討委員会において、本県の実情に即した中長期的な具体的な取り組みや数値目標等を検討することにいたしております。  勤務開始前の活動や早朝勤務の割り振り等、また、勤務開始時間からの一定の業務時間の設定につきましては、学校への指導も含め、この中で検討してまいりたいと考えております。  次に、各学校の予備時数の現状とその指導についてでございます。  平成二十九年度当初時点に小・中学校が計画していた予備時数の最小値と最大値は、小学校第一学年が三十七時間と百二十五時間、第二学年が三十五時間と百三十二時間、第三学年が三十時間と百四十三時間、第四学年が二十八時間と百十九時間、第五学年が二十九時間と百十時間、第六学年が二十七時間と百十時間、一方、中学校では、第一学年が三十二時間と百十三時間、第二学年が三十四時間と百十三時間、第三学年が二十三時間と八十八時間という状況でございました。  この予備時数については、法令上求められる各教科等の指導に最低限必要な授業時数のほかに、各学校において、感染症等による休校や学級閉鎖等への備えのみならず、指導内容の確実な定着を図るため時間をかけて創意工夫を生かした指導を行うなど、学校や児童生徒の実態に応じて弾力的に活用される時数でございます。  このため、児童生徒の実態を考慮しつつ、個に応じた指導等を充実させるなどの観点からは、予備時数が多いことのみをもって、直ちに改善が必要であるとは言えないと考えますが、県教委といたしましては、文科省からの学校における業務改善に関する通知に加え、来年度の早い時期に実施する教員の長時間勤務要因分析調査の結果や、引き続き実施するモデル地域での調査研究の成果等を踏まえ、教員の働き方改革に配慮した各学校における教育課程の編成・実施のあり方について、検討してまいりたいと考えております。  次に、重点目標等の設定及び人事評価の積極的な活用についてであります。  校長が、学校の重点目標や経営方針に教職員の働き方に関する視点を盛り込むことは、教職員全体の働き方に関する意識改革につながるものであると認識いたしております。  中央教育審議会の中間まとめや文部科学省の緊急対策等においても、学校の重点目標等に教職員の働き方に関する視点を盛り込み、管理職がその目標・方針に沿って学校経営を行う意識を持つことが示されておりまして、この点について、御提案にありました学校における業務改善方針に盛り込むことにつきましては、今後検討いたしたいと思っております。  また、人事評価については、中間まとめや緊急対策等において、教職員一人一人が業務改善の意識を持って進めるために、その活用を推進することが示されておりまして、県教委といたしましても、今後どのような活用方法があるか、検討してまいりたいと考えております。  次に、業務改善の取り組みに係る点検・評価についてでございます。  学校における業務改善方針につきましては、現在、パブリックコメントを実施いたしているところでございまして、今後、県民の皆様の御意見や県議会における御論議等を踏まえた上で、本年度中に策定することにいたしております。御提案にございました、業務改善の取り組みを教育委員会が実施する事務の点検・評価の項目とすることを本方針案に盛り込むことについては、今後検討してまいります。  業務改善方針策定後のスケジュールについてでございます。  中央教育審議会における中間まとめにおきましては、学校の業務改善については、教育委員会等は、学校現場とともに取り組む姿勢を示すためにも、所管する学校に対する時間外勤務の削減に向けた業務改善方針・計画を策定することが必要であると示されているところでございます。  今回策定する学校における業務改善方針につきましては、策定後、本方針及びそれに基づく平成三十年度から先行的に実施することとしている取り組みについて、市町村教育委員会に速やかに周知いたしますとともに、各市町村教育委員会における業務改善方針の策定についても、あわせて要請することにいたしております。    [柳 誠子君登壇] 29 ◯柳 誠子君 御答弁いただきました。  先月二十五日、南日本新聞社主催のシンポジウム「学校にも働き方改革の風を!」が、県教委、鹿児島市教委、県P連等の後援のもと開催されました。学校関係者、行政関係者、保護者など、およそ四百五十人の参加だったと伺いました。私も参加させていただきました。中央教育審議会学校における働き方改革特別部会委員の妹尾昌俊氏や名古屋大学准教授の内田良氏ら三人のパネリストのほかに、県内の小学校の先生もパネラーとして出席し、学校現場の現状についてお話されました。  学校の働き方改革については、全国でも社会問題となるなど、改革の必要性について、地域の方々や保護者らが、学校が悲鳴を上げていると気づき始めました。マスコミも連日のように大きく取り上げ、学校の働き方改革は待ったなしであります。  小学校の先生が言われた、「今一番欲しい時間は、授業のための準備の時間と子供たちの話をゆっくり聞く時間です」という言葉に、私は一番心を打たれました。「毎日毎日が余りにも忙しく、子供が下校するまで一度もトイレに行けず膀胱炎になったり、子供への対応や学級経営などで悩んでいても、みんな忙しそうで相談できず、一人で悩みを抱え、メンタルダウンに陥ってしまう教員がふえている」と訴えられました。  教員の労働に関する法体系は、労働基準法や、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法が絡み合っており、ほとんどの教職員、学校長、教育委員会等がよく理解しておらず、際限のない超過勤務に陥ってしまうとのことであります。そして、子供たちにとって最も重要な教職員の数が現状に合っていないということです。教職員の数をふやし、教員一人当たりの授業時間を減らすことで、授業のための研究と準備時間をつくることができるのです。  このように、教職員の働き方を改善していくことが、子供たちの学力向上へもつながり、本県の教育水準を維持していく上からもとても重要なことであります。教育委員会におきましては、さらなる取り組みをよろしくお願いいたします。  続いて、質問に入ります。  LGBTについては、昨年の九月議会でまつざき議員が質問されました。性的マイノリティーの方々が本当に苦しんでいる現状を少しでも変えられたらとの思いで、今回質問させていただきます。  女性同性愛者─レズビアン─、男性同性愛者─ゲイ─、両性愛者─バイセクシャル─、性同一性障害─心と体の性が一致しないトランスジェンダー─の頭文字をとってLGBTと呼ばれ、今では世界中で使われています。しかしながら、日本ではまだLGBTに対する差別や偏見、いじめなどがあり、まだまだ生きやすい社会とは言えない現状があります。  特に、性同一性障害の子供が学校生活を過ごす中で、男女別に分けられた名簿の使用、男女で決められた制服や体操服・水着などの着用、入学式や卒業式等での男女別の整列、体育の授業や部活動などにより、適応できない自分に苦しみながら過ごさなければならず、時に不登校やひきこもり、あるいはみずから命を絶ってしまう子供もいるのです。性別を選べない子供、自分が何者なのかわからず苦しんでいる子供がいるという現実を直視し、そのような子供の気持ちに寄り添った人権教育や教育環境の整備を切に願うものです。  千葉県柏市の市立中学校では、この四月から、LGBTなど性的マイノリティーにも配慮し、保護者や子供たちの意見も踏まえ、スラックスやスカートなどを自由に選べる制服の導入が決まったとのことであります。LGBTへの理解が一歩進んだと歓迎するものです。スカートをはけなかった子供がスラックスを着用することで学校に行けるようになり、カミングアウトして生きづらい状況に陥ってしまわないよう、早急に見直して子供の苦しみを一つでもなくしていただきたい。  そこでお尋ねします。  本県においても、保護者や子供たちの意見を踏まえた上で、性的マイノリティーに配慮した、学校における制服や体操服等の導入を検討していただきたいと思いますが、県の考えをお示しください。  本県では、学校で使用する名簿については、小・中・高いずれにおいても男女別名簿を使用しているところが圧倒的多数のようでありますが、世界の流れとしては性別で分けない男女混合名簿の使用が主流になっており、男女共同参画の視点から見ても、男女混合名簿の使用は自然なことだと考えます。  性別で分けられることにより苦しい思いをする子供がいるのであれば、教育行政の責任として男女混合名簿の早急な導入を図るべきだと考えますが、知事の見解をお伺いします。  また、現在、県内の学校で男女混合名簿を使用しているところがどれくらいあるのか、小・中・高校等それぞれお答えください。  LGBTへの理解が進んでいるとはいっても、一般企業等での就労はいまだ困難な状況があります。県におかれては、第三次男女共同参画基本計画を取りまとめておられると思いますが、LGBTへの支援について、前回の計画をさらに充実させるためにどのような支援策を講じていかれるのか、お示しください。  日本新聞協会が二〇一七年十月に行った日刊紙の都道府県別発行部数と普及度の調査データによりますと、本県の朝刊発行部数は三十九万八千四百七十一となっており、世帯数八十万二千三百八十一から見た一世帯当たりの部数は〇・五〇と、全国でも最下位レベルとなっています。近年、インターネットを初めとするさまざまな情報メディアの発達・普及により、新聞を購読しない家庭がふえた結果、子供たちが新聞に触れる機会は、今や学校のみと言っても過言ではありません。  二〇一二年度に全国学校図書館協議会が実施した学校読書調査によりますと、一カ月に一冊も本を読まない子供の割合は、小学校で四・五%、中学校で一六・四%、高校で五三・二%と、年齢が高くなるにつれ読書離れが顕著になっています。  学校図書整備については、二〇一二年度から開始した学校図書館図書整備等五か年計画において、毎年度約二百億円、総額一千億円の地方財政措置が講じられ、学校図書館図書標準を達成した学校の割合は増加していますが、十分な水準には達しておらず、古い図書が保有されている状況も見られます。また、学校図書館に新聞を配置している学校は、小学校で四一・一%、中学校で三七・七%、高校で九一・〇%であり、各学校で新聞を活用した学習を行うための環境が十分には整備されていないのが現状です。  このような中で、国においては、今年度から総額二千三百五十億円規模のさらなる五か年計画を開始し、図書標準の達成を目指すとともに、計画的な図書の更新、学校図書館への新聞配備と学校司書の配置促進を図るとしています。  そこでお尋ねします。  本県における小・中学校の学校図書館図書標準の達成状況や高等学校等の一人当たりの蔵書冊数と適切な図書の更新状況について、それぞれお答えください。  学校図書館への新聞配備については、新たな五か年計画により、新規に高等学校等へも約五十億円予算措置され、一校に四紙が配備できるようになったところであります。選挙権年齢の十八歳以上への引き下げ等に伴い、生徒が新聞を通して現実社会の諸課題を多面的に考慮し、公正に判断する力等を身につけることは、主権者教育の観点からも一層重要であると考えます。  そこでお尋ねします。  高等学校等への新聞の複数紙配備に対する県の見解と、本県の高等学校等における新聞配備の現状についてお示しください。  また、今年度、四紙配備されていない学校については、県の責任として早急に配備を進めるべきだと考えますが、見解を求めます。  学校司書の配置については、新たな五か年計画により、小・中学校におおむね一・五校に一名程度配置できる予算措置がなされています。学校図書館の日常の運営・管理や学校図書館を活用した教育活動の支援等を行う、専門的な知識・技能を持った学校司書は、学校図書館がその役割・機能を果たす上で欠くことのできない存在です。  本県の小・中学校における学校司書の配置状況と、五か年計画に基づいた今後の配置予定についてお示しください。  これで、二回目の質問といたします。 30 ◯教育長(古川仲二君)まず、性的マイノリティーに配慮した制服等の導入についてでございます。  御質問にございました千葉県柏市の市立中学校は、平成三十年四月の新設・開校に向けて、中学校地域関係者や小学校教員、保護者、児童等を委員とする制服・校内服等検討委員会を立ち上げ、さまざまな意見をもとに、経済性、機能性及びLGBT等に可能な限り配慮した制服等を制定したと聞いております。  学校における制服等については、児童生徒の実態、保護者の考え、地域の実情、時代の進展等を踏まえ、校長の判断により決定されるものであると考えますが、県教委といたしましては、性的マイノリティーに係る児童生徒の心情と保護者の意向に十分配慮することは大切であると考えておりまして、今後とも、各種研修会において県内外の実践事例等を紹介し、教職員の一層の理解促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、男女混合名簿の導入に対する見解等についてでございます。  学校では、出席簿や健康診断に関する公簿、学級名簿、入学者・卒業者名簿など、さまざまな名簿が使用されております。男女混合名簿を使用している学校の割合について、小・中学校を対象に実施いたしました直近の平成二十四年度の調査では、小学校が二三・三%、中学校が一五・六%となっており、また、高等学校を対象に平成二十九年度に実施した調査では、四七・五%でございました。  県教委といたしましては、性同一性障害に係る児童生徒について、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮した対応などを求める文部科学省通知を踏まえ、各学校では、子供の実態に応じて適切に対応すべきであると考えておりまして、名簿をどのような形式で作成するかについては、それぞれの学校や児童生徒の実態に応じて、校長が判断するものであると考えているところでございます。  次に、小・中学校の学校図書館図書標準の達成状況等についてでございます。  学校図書館図書整備等五か年計画では、小・中学校の学級数に応じた蔵書冊数を学校図書館図書標準として示し、学校図書館の図書の整備を図る際の目標とすることで、図書の整備と適切な図書の更新を求めております。  学校図書館図書標準を達成している学校は、平成二十七年度で、小学校が六四・八%、中学校が五二・〇%であり、五か年計画の実施以降、年々増加してきているところでございます。  生徒一人当たりの蔵書冊数につきましては、県立高等学校では平成二十七年度、四十冊、特別支援学校では二十七冊となっております。  小・中学校の図書の更新の状況につきましては、個別に把握はいたしておりませんが、市町村によりましては、一定期間利用の見込めない書籍を廃棄するなどの基準を設けて、計画的な更新を行っていると聞いております。  県立高等学校全体では、平成二十七年度新規購入分から廃棄分を差し引き、前年度より一万六千八百九十六冊の増加となっており、また、特別支援学校全体では三百二十三冊の増加となっております。  県教委といたしましては、今後とも、図書整備等に対する財政措置の拡充がなされるよう、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望いたしますとともに、市町村教育委員会に対して、計画に基づく学校図書館の図書整備を促してまいりたいと考えております。  高等学校等への複数紙配備への見解と新聞配備の現状についてでございます。  高等学校におきましては、新聞が、生徒の学習に対する興味・関心を高め、理解を深めるための補助的な教材や資料として有効であり、学習指導要領において重視される言語活動の充実に資するものでありますことから、新聞を活用した教育活動が県内各学校において広く推進されているところでございます。  また、新聞の活用に当たりましては、多面的・多角的な考察を通して、諸事情に対して公正に判断できるようにすることが大切であり、主権者教育の観点からも、新聞の複数紙配備は重要であると考えております。  本県の高等学校等における新聞配備の現状につきましては、平成二十七年度、八四・四%の公立高等学校等において複数紙が配備されており、一定程度、複数紙の配備が進んでいるものと考えております。  次に、高等学校等への新聞の四紙配備についてでございます。  本県の公立高等学校等のうち、新聞を四紙以上配備している学校の割合は、平成二十七年度において全体の二二・九%であります。一方、本年度からスタートいたしました第五次の学校図書館図書整備等五か年計画におきましては、発達段階に応じた学校図書館への新聞の複数紙配備が必要とされたところでありまして、高等学校等ではその目安が四紙とされておりますことから、県教委といたしましても、各学校に対して、本計画の意義を周知し、高等学校等の学校図書館における新聞配備の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、学校司書の配置状況等についてでございます。  学校司書は、学校図書館の運営の改善・向上を図り、児童生徒及び教員による学校図書館の利用を促進する観点から重要な役割を果たしており、県教委ではこれまでも、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に財政措置の拡充を要望し、市町村教育委員会へも学校司書の配置を促してきたところでございます。その結果、平成二十七年度で小学校四百六十四校、率にいたしますと八九・九%、中学校で百九十四校、八七%に学校司書が配置され、全国平均を上回る状況となっております。  県教委といたしましては、今後とも、五か年計画を踏まえ、各学校における学校司書の配置が充実するよう、引き続き、市町村教育委員会に対して配置の充実を促してまいりたいと考えております。 31 ◯県民生活局長(中山清美君)第三次男女共同参画基本計画におけるLGBTへの新たな支援策についてでございます。  第三次計画案では、重点目標の中に、男女共同参画社会の形成に向けた教育・学習の推進を掲げ、その施策の方向の一つに、性の多様性への理解促進を明記し、今後、啓発や相談対応に取り組むこととしております。  具体的には、違いや多様性を認め合い、相手を思いやることなどについて、企業を初め、行政や大学、地域等を対象に、各種人権啓発研修会等を開催するとともに、県男女共同参画センターが行う講座等においても、広く県民に対し啓発を行うこととしております。  また、同センターや県精神保健福祉センター、各保健所等において県民からの相談に応じるほか、学校現場でも引き続き、教育相談係や養護教諭、スクールカウンセラー等がチームとなって相談体制を構築し、支援を行うこととしております。  今後とも、第三次計画に基づき、これらの取り組みを継続的に、着実に実施してまいります。 32 ◯柳 誠子君 自席から再質問させていただきます。  ただいま御答弁いただきましたが、まず、LGBTについてですが、LGBTかどうかは子供がカミングアウトしなければわからないわけです。家族や友人にも言えずに苦しんでいる子供がいるのであれば、周りの大人が配慮する必要があります。学校現場においてそれができるのは、学校長です。先ほども答弁にありましたように、学校長の判断一つでそれができるわけです。子供が学校生活において苦しい思いをせずに済むわけですので、ぜひ県教委からも、服務監督権者である市町村教育委員会、それと管理監督者である学校長への指導として、通知文を発出するなどの対応をしていただきたいんですね。  でなければ、それを理解してくださった校長さんは実施したり、なかなか理解していただけない学校においては実施できないといったように、学校間において差が生じてくるわけですので、ぜひ県教委から、そういった指導等を行っていただきたいと思います。  それともう一点、男女混合名簿につきましては、県内でも有数の進学校と言われる高校も、男女混合名簿を開校当初からずっと使用しているようでございます。医学的なデータをとること以外については、男女を分ける理由が見当たりません。  宮崎県では、学校の出席簿の並びを男女別で分けない混合名簿の使用につきまして、昨年末の議会で質問があったようでございまして、県教委が、学校で使用する名簿については、原則性別で分けないよう県立学校や市町村に伝えたとのことであります。新年度からの実施を促すとのことであります。  全国的に見ても、男女混合名簿を使用している都道府県は約七割という調査結果もあります。世界的に見ても、性で分けない考えが主流であります。男女共同参画の意識をさらに高めていく、また、LGBTの子供への配慮といった視点からも、性で分けない名簿の利用促進が図られるように、県立学校や市町村教育委員会へ通知文を発出するなどの取り組みをぜひしていただきたいと思いますが、再度御答弁をお願いいたします。 33 ◯教育長(古川仲二君)性的マイノリティーに配慮した対応についての再度の御質問でございますが、まず、第一点目の性的マイノリティーに配慮した学校運営・学校経営につきましては、これまでも機会あるごとに各学校長に対しては指導いたしておりますが、改めて、それぞれの児童生徒の置かれた状況あるいは心情、保護者の意向に十分配慮した学校運営・学校経営に努めるよう、学校長に対しては指導していきたいと考えております。  それと、混合名簿につきましては、先ほど申し上げましたとおり、性同一性障害に係る児童生徒について、個別の事案に応じて、児童生徒の心情等に配慮した対応などを求める文部科学省の通知を踏まえまして、各学校では、子供の実態に応じて適切に対応すべきと考えております。名簿をどのような形式で作成するかについては、このような観点を踏まえつつ、それぞれの学校において、児童生徒の実態に応じて、各校長において御判断いただけるものと考えております。 34 ◯柳 誠子君 知事に一点お尋ねしたいと思います。  このLGBTで苦しんでいる子供がおります。カミングアウトしなければなかなかわからないわけですが、確実に各学校にいると言われております。そういった子供たちのことを考えれば、知事は総合教育会議を設置して教育行政のトップでいらっしゃいますので、ぜひ学校長等にもそういった取り組みを促していただきたいと思いますけれども、男女混合名簿についての知事の見解をお伺いしたいと思います。 35 ◯知事(三反園 訓君)性的マイノリティーに係る児童生徒の心情、保護者の意向に十分配慮することは大切だと思っております。性同一性障害に係る児童生徒について、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮した対応などが求められていると考えておりまして、そのような児童生徒がいる場合には、基本的には各学校において、服装等を含めて、児童生徒の心情、保護者等の意向に応じて配慮する必要があると思っております。  また、男女混合名簿に関しては、進める必要があると私は思っております。 36 ◯柳 誠子君 もう一点、学校図書館図書整備等五か年計画についてでありますが、高校等における新聞の四紙配備については、パーセントを先ほど示していただきましたが、まだ進んでいないなというのが実感でございます。  一紙、二紙、三紙と、学校においてそれぞれのようでありますが、同じ公立高校においてこのような格差があってはいけないと思います。鹿児島県のNIE推進協議会開催の、新聞を活用した実践報告会で、尚志館高校の新納教諭が、「当日の新聞を使うと授業が活性化する」と報告し、「社会の出来事に対する生徒の関心が高まった」と述べておられます。このように、生徒が社会の事象に関心を持てば、政治にも関心が持てるようになり、投票行動にもつながっていくと思います。まさに主権者教育ではないでしょうか。  この件につきましても、ぜひ知事、高校等への新聞配備も早急に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、再度お尋ねします。 37 ◯教育長(古川仲二君)私のほうで答弁させていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、図書整備等五か年計画も拡充されました。それに伴う地財措置も拡充されたわけでございますので、私どもといたしましては、その趣旨を踏まえて、各学校長等に対して、新聞の配備の拡充について、機会あるごとに要請していきたいと考えております。    [柳 誠子君登壇] 38 ◯柳 誠子君 それぞれ御答弁いただきました。
     LGBTなど性的マイノリティーの方々にとっては、日本はまだまだ生きにくい社会です。私の知り合いも、自分の生きる場所が見つからず苦しんでいます。学校でも、社会に出てからもずっと苦しみながら生きていくのだと。でも、周りの人たちの配慮があれば少しは救われるのだとも言います。  学校生活を過ごす中で、制服の問題や、性別で分けない名簿を使用することで、苦しみが少しでもなくなるのであれば、一刻も早く対応すべきであります。知事、教育長、この問題を人権教育の一環として捉えていただけないでしょうか。  知事、先ほど、「混合名簿賛成である」という答弁をいただきました。他県に比べれば、鹿児島県の男女混合名簿の導入は大変おくれております。ぜひこれを機会にして男女混合名簿、性別で分けない名簿の使用が広まっていくようによろしくお願いしたいと思います。  次の質問に入ります。  政府は、二〇一二年七月に、再犯の防止は政府一丸となって取り組むべき喫緊の課題という認識のもと、再犯防止に向けた総合対策を決定しました。この対策では、刑務所等を出所した年を含む二年間に刑務所等に再入所する者の割合を二〇二一年までに二〇%以上減少させるという、初めての数値目標を設定しました。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向け、犯罪の繰り返しを食いとめる再犯防止対策の推進も盛り込んだ、世界一安全な日本創造戦略を閣議決定しています。二〇一六年十二月には再犯防止推進法が施行され、これまでの間、専ら保護司法に依拠した更生保護関連の取り組みを補完・補強する法律として、県を初めとした自治体により、積極的に更生保護活動への取り組みが義務づけられているのは御承知のことと思います。  保護司法では、第十七条で地方公共団体の協力を条文化し、各地域の保護司会・同連合会などの活動に協力することができるとしていたものを、施行された再犯防止推進法では、第四条で、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の状況に応じた施策を策定・実施する責務が明記されています。  更生保護の取り組みに関しては、昨年の第二回定例会で県民連合の前野議員が一般質問し、県の取り組み等について伺いましたが、答弁では、県の主体性がいま一つ明確に示されていません。今般の再犯防止推進法の施行を受け、改めて伺います。  県によりますと、再犯防止推進を担う県の窓口部署が決まったとのことですが、どのような支援体制になるのかお答えください。また、今後、再犯防止へ向けてどのように取り組んでいくのか、お尋ねします。  保護司などの総合的取り組みの中で、行政の支援が欠かせないとされる取り組みが、居所となる住居の確保、更生を期す学び直しの修学支援、薬物依存症から回復する医療支援などが急務と伺っています。こうした課題への行政支援の現状と今後の具体的取り組みについてお尋ねします。  法務大臣から委嘱を受けた保護司は全国に五万人弱で、自営業者や元教師、主婦など、各地の民間人が担っています。平均年齢も六十五歳と高齢化が進み、社会のつながりが希薄になったことで後継者探しが困難な状況にあり、各地域支部の共通の課題となっています。また、交通費などの実費は支給されるものの無給で、熱意と善意だけが支えとなっています。  そこでお尋ねします。  保護司の人材確保に向けた国や県の取り組みと、活動に対する地方自治体からの何らかの支援も必要と考えますが、県の見解をお示しください。  次に、鹿児島市南部地区の特別支援学校の整備につきましては、今議会の一般質問で、私を含め三人の議員が取り上げています。昨年第四回定例会では、私ども県民連合の代表質問で取り上げるなど、これまで幾度となくこの本会議場で議論が交わされてまいりました。学校の整備予定地として、この間議論が交わされてきた農業試験場跡地については、過去に医療機関の建設をめぐる問題もありましたが、現在はそれもなくなり、学校整備を拒むものは何もないと考えます。  学校整備の必要性については、この間の本会議や委員会等での議論で県教育委員会も十分理解しておられると認識しています。しかしながら、いまだ整備に至らないのはどのような理由によるものでしょうか。  知事は、昨日の大園議員の一般質問で、「三月中には桜丘養護学校を訪問し、学校関係者や保護者に会って話を伺う」と答弁されました。一歩踏み込んだ答弁と思っております。  私が最初に桜丘養護学校の保護者から相談を受けて、約十年になります。ことしの成人式には、当時PTAで必死に学校整備の必要性を訴えておられたお母様からメールが届き、「自分たちの子供は間に合わなかったけど、今後も続く子供たちのために力になりたい」とおっしゃっておりました。当時の子供たちは成人式を迎える年齢になったのです。  知事に伺います。  桜丘養護学校の現状認識と、今後の学校のあり方に対する知事の見解をお示しください。  また、いまだ学校整備に踏み切れない理由について、明快な御答弁をお願いいたします。  以上で、三回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 39 ◯知事(三反園 訓君)鹿児島市南部地区の特別支援学校整備についてであります。  私は、障害のある子供一人一人を大切にする特別支援教育に関しましては、推進してまいりたいと考えております。  私としては、昨日申し上げたとおり、実際に学校を訪問いたしまして、学習環境を確認するとともに、保護者の方々を含めてさまざまな方々の思いを聞いた上で、必要な対応をとりたいと考えております。 40 ◯県民生活局長(中山清美君)更生保護の取り組みに関しまして、まず、再犯防止の県の体制と今後の取り組みについてでございます。  再犯の防止等の推進に関する法律が平成二十八年十二月に施行され、国の再犯防止推進計画が昨年十二月に策定されたことを踏まえまして、県におきましては、県民生活局を再犯の防止等に関する窓口としたところでございます。  同法は、国民の理解と協力を得つつ、犯罪をした者等の円滑な社会復帰を促進するなど、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現を目指すものでございます。このため、再犯の防止等に関する施策は、就労先や住居の確保などさまざまな分野にわたりますことから、県といたしましては、まずは庁内の推進体制を整え、国や市町村、関係機関等とも連携を図りながら、再犯の防止等の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、住居の確保等の支援についてでございます。  住居の確保につきましては、矯正施設出所者のうち福祉的支援を必要とする高齢者や障害者に対して、県が設置する地域生活定着支援センターにおいて、保護観察所と連携し、住宅入居の手続を行うなど、社会復帰と地域生活への円滑な移行を支援しております。また、公営住宅への入居については、収入基準等一定の入居資格を満たせば申し込むことが可能であります。  修学支援につきましては、生徒、保護者等の問い合わせに応じて、適宜、通信制高校や高等学校卒業程度認定試験等に関する情報を提供しております。  薬物依存症から回復するための医療支援につきましては、精神保健福祉センターにおいて、保護観察所と連携し、薬物事犯者引受人会での座談会や専門医による薬物相談を実施しております。また、保健所等においては、薬物依存症で治療されている方の社会復帰に向けた相談・支援を行っております。  県といたしましては、引き続き、国や市町村、関係団体等とも連携を図りながら、再犯の防止等の取り組みを進めてまいります。  次に、保護司の人材確保と活動支援についてでございます。  保護司には、人格及び行動について社会的信望を有するなどの要件があり、保護観察所では、保護司の確保に向けて、有識者や地方自治体関係者などで構成する協議会を保護区ごとに設置し、その掘り起こしに努めております。  国の再犯防止推進計画では、保護司の高齢化や民間ボランティアの減少傾向等を受けて、保護司等民間協力者の活動促進や広報啓発活動の推進が位置づけられております。保護司の方々は、地域社会の更生保護に重要な役割を果たされておりますことから、県では、平成三年度から毎年、保護司の方々に知事感謝状を贈呈しております。また、犯罪をした者等が社会において孤立することなく再び社会の構成員となれるよう、国が提唱する、社会を明るくする運動において、再犯の防止等に関する広報啓発活動を推進しているところでございます。  県といたしましては、今後とも、保護司の活動が円滑に実施されるよう、国や市町村、関係団体等との緊密な連携・協力に努めてまいります。    [柳 誠子君登壇] 41 ◯柳 誠子君 それぞれお答えいただきました。  罪を犯した人の中には、安定した仕事や住居がない人、薬物やアルコール依存症、高齢で身寄りがないなど、地域社会で生活する上でのさまざまな課題を抱えている人が多く存在します。  更生保護行政の重要な役割を担っている保護司の方々は、罪を犯した人が更生し、修学や就労等につながるよう、日々、当事者に寄り添い活動しておられます。県の相談部署が決まったわけでございますので、新年度からは、保護司の方々や関係機関との連携がより強化されるよう期待いたします。  鹿児島市南部地区の特別支援学校の整備につきましては、今月中に知事が桜丘養護学校を訪問されることになりました。保護者の皆さんの声をお聞きいただき、障害のある子供たちが安心して学校生活を過ごせるよう、また保護者の方々が安心して子育てができるよう、一日も早い学校整備を強く強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 42 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、藤崎剛君に発言を許可いたします。    [藤崎 剛君登壇](拍手) 43 ◯藤崎 剛君 平成三十年第一回定例会に当たりまして、自由民主党県議会議員団の一員として質問させていただきます。  平成三十年、一八六八年の明治維新の年より百五十年を迎えました。けさほど、息子が持っていた日本史の年代の語呂合わせ暗記法を見てきました。鹿児島にとって大事な一八六八年、「ひとつやろうや五箇条を」、一八七七年、「嫌な内乱、西南戦争」、それぞれなるほどという表現でありました。多くの鹿児島の子供たちに、この二つの大事な年を自分なりの覚え方でぜひ覚えていただきたいなと思いかたでした。  大河ドラマ「西郷どん」が始まりました。毎週食い入るように見ております。週が明けますと、ドラマの各場面につきましてさまざまな論評が飛び交います。あの場面はよかった、泣けたねという反応もあれば、あげな場面はなかったど、ドラマやっどなあなどと受けとめる方あり、中には怒る方あり、おかげさまで話題沸騰であります。  鹿児島の町なかを歩く外国人観光客の皆様は、この西郷どんブームをどう見ているのでしょうか。日本人観光客は、大河ドラマ館を訪問しています。目指しています。外国人がよく立ち寄るお土産屋にも、さまざまな西郷どん関連のグッズがあります。眉毛の濃い、大きな目の、ちった太ったこの西郷さんを、外国人観光客は果たしてどんな人として見ているのか、気になります。  子供たちがドラマを見て、ドラマで出てくる鹿児島弁で語っているのにも出くわします。本家本元の正統派の鹿児島弁は私自身もなかなか語れませんが、ここまで影響があるのかと思います。  私の周りには、知事にどんどん質問せえというお声もありますが、本日はちっとずい質問してまいります。答弁としては願わくば、いっきすっで、もしくは、いけんかしもんでが欲しかところであり、いっと待っちゃい、考ゆっでは、あんまい要りもはんで、よろしゅお願い申し上げます。  まず、地方財政対策について質問いたします。  地方交付税は、地方団体が標準的な行政水準を確保できるように財源を保障するものであります。基本的には、できるだけ多く見積もりたい地方と、圧縮したい国の財政当局との間で意見が対立する構造があります。毎年そのせめぎ合いの中で数字が決定しています。この地方交付税は、鹿児島県にとりましても自治体運営の大事な財源であり、その動向に注目しております。  地方交付税は、国税五税の法定率分となっている一方で、各地方団体が個々に見積もった算定額との間には当然に差異があります。また、景気が後退すると、国税五税の法定率分が減少し、その際は特例加算や臨時財政対策債などで補うなどして、財源不足が生じないようになっています。  地方交付税の総額は、政府予算の編成の一環として、年末の地方財政対策で決定されます。この地方財政対策は、翌年の二月ごろに発表される地方財政計画の骨格とも言えるものであります。  政府予算可決後、地方交付税法第十条第三項により、普通交付税の額を遅くとも毎年八月三十一日までに決定しなければならないという原則があり、それを見据えて七月末には、総務省は、各地方公共団体に対する普通交付税の交付額を決定するとともに、年度ごとに普通交付税大綱を決めて、閣議に報告することになっています。  年末の地方財政対策が出ますと、それに対して、全国知事会を含む地方六団体の共同声明が出されます。その文脈を読んでみますと、評価する、期待するという言葉が、平成二十七年度対策に関しては二回、平成二十八年度は二回、平成二十九年度は三回、平成三十年度は四回出てきます。景気回復に伴い、地方団体の要求に少しずつ応えてきている様子がわかります。その一方で、今回の平成三十年度対策に関しては、断じて容認できないという言葉も入っておりまして、歓迎ムードの中にも厳しい局面が見られます。  平成三十年度対策に対する地方六団体声明では、平成三十年度の国民健康保険の都道府県単位化の前提として約束された財政支援の拡充等については、平成三十二年度末までに行うこととされていた財政安定化基金の積み増しについて、平成三十年度予算で前倒しして三百億円積み増しが実現しています。このうち鹿児島県分の配分は約四億円となる見通しで、鹿児島県の国保財政安定化基金についても累積で約三十八億円となる見通しで、一息ついた感があります。  ここで、気になる点を二つお尋ねいたします。  平成二十九年度までありました地方財政対策の歳出特別枠二千億円が廃止になりましたが、それに伴う鹿児島県への影響についてどのように把握しているのか、お示しください。  来年十月に消費税・地方消費税一〇%への増税も予定されておりますが、この年度途中での増税と、二%の増税に伴って、税収への影響と県財政への影響についてどのように予測しているのか、お示しください。  次に、文化財と観光振興についてお尋ねいたします。  世界文化遺産への登録、奄美の世界自然遺産の登録などの大仕事が続く中で、今回、日本遺産について提案がありました。鹿児島県の日本遺産については、我が党の宇都隆史参議院議員も心配しておられまして、以前より資料をいただき、私なりに調査研究しておりました。また、南九州三県観光振興議員連盟の大会が数年前、熊本県人吉市で行われた際に、「日本遺産の人吉球磨へようこそ」という主催者挨拶があったことを思い出し、鹿児島県での取り組みがおくれていることを実感しておりました。  日本遺産について紹介しますと、まず、世界遺産との違いにつきましては、世界遺産登録や文化財指定は、いずれも登録・指定される文化財の価値づけを行い、保護を担保することを目的とするものであります。一方で日本遺産は、既存の文化財の価値づけや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を面として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている点に大きな違いがあります。  日本遺産に認定されますと、認定された当該地域の認知度が高まるとともに、今後、日本遺産を通じたさまざまな取り組みを行うことにより、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域のブランド化等にも貢献し、ひいては地方創生に資するものになると考えられています。  認定に当たっての考え方につきましては、歴史的な経緯や地域の風習に根差し、世代を超えて受け継がれている伝承、風習等を踏まえたストーリーであること。ストーリーの中核には、地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、建造物や遺跡・名勝地、祭りなど、地域に根差して継承・保存がなされている文化財にまつわるものが据えられていること。単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになっていないことなどがあります。  また、認定するストーリーには次の二種類があります。単一の市町村内でストーリーが完結する地域型、複数の市町村にまたがってストーリーが展開されるシリアル型であります。  ストーリーを語る上で不可欠な文化財群には、地域に受け継がれている有形・無形のあらゆる文化財を対象とすることができ、地方指定や未指定の文化財も含めることができますが、国指定・選定文化財を必ず一つは含める必要があります。  審査基準としては、ストーリーの内容が、当該地域の際立った歴史的特徴・特色を示すものであるとともに我が国の魅力を十分に伝えるものとなっていること。日本遺産という資源を生かした地域づくりについての将来像と、実現に向けた具体的な方策が適切に示されていること。ストーリーの国内外への戦略的・効果的な発信など、日本遺産を通じた地域活性化の推進が可能となる体制が整備されていることなどとなっています。  ここでお尋ねします。  日本遺産については、地域型とシリアル型の両方がありますが、鹿児島県ではシリアル型を選択したと聞いています。ストーリーの展開はどのような内容で申請したのか、お示しください。  この日本遺産に認定された場合、国からの活用・振興の助成が行われると聞いておりますが、どのような補助の仕組みで、他県の日本遺産がどのくらいの補助をもらっているのかお示しください。  次に、鹿児島市城山町の旧考古資料館についてお尋ねします。これまでも何度か質問してきました。  照国神社前の照国公園に、観光のパンフレット等で鹿児島を代表する近代建築と紹介されている建物であります。  明治八年、秩禄処分の政策により武士の俸禄が廃止され、武士が生活に困るようになりました。西本願寺の明如上人は、武士たちが苦労しているのは忍びないと思い、西南戦争直後に県に一万円寄附し、さらに明治十四年に士族授産所の設置のために、当時の鹿児島県にさらに一万五千円寄附しました。旧考古資料館は、それを財源に明治十六年、県立興業館として建設されたものであります。武士という身分がなくなり、これから生活していくために必要な技能を習得するための職業訓練所のようなものでありました。  その後、明治二十二年から三年間、鹿児島市役所として利用されたほか、県商工奨励館、県立博物館などさまざまな用途の変遷を経て、考古資料館で役目を終えています。  平成二十四年の私の質問に対する、当時の原田耕藏教育長の答弁を御紹介しますと、「現存する石づくりの洋館としては国内最古級で、平成十年に本県初の国登録有形文化財となったところであります。また、大正三年の桜島大噴火時の大地震や第二次大戦時の空襲にも石づくり部分は耐えてきておりまして、近代鹿児島の歴史のシンボルとも言える存在となっております。しかしながら、平成十二年、耐震性の課題が指摘されまして、平成十四年から閉館いたしております。これまで芸術家団体等から利用の要望も受けておりますが、保存・活用する場合には、多額の耐震補強費用が想定されることなどから、現在庁内でそのあり方を検討しているところであります」というものでありました。  また、余談になりますが、この旧考古資料館敷地には、大正十四年に建てられた明治・大正期の政治家折田兼至氏の顕彰碑も建っております。二十八歳で県議会議員に当選し、三十歳で県議会議長になり、その後、衆議院議員も務めておられます。本議会棟二階にも写真が掲示されております。ちなみに、南九州市知覧の生まれでありますので、田畑浩一郎議員の先輩に当たられる方であります。  今回提案された予算案で、かごしまの日本遺産等魅力発信事業の「等」という文字に何が含まれているのかお尋ねしたところ、この旧考古資料館のことであるとのことです。「等」で済ませるには大変もったいない施設です。  この考古資料館一帯は歴史・文化ゾーンと呼ばれ、県の施設、鹿児島市の施設が混在しています。鹿児島市では、文化薫る地域の魅力づくりプランに基づいて、これまで四回にわたり、この旧考古資料館をライトアップして、音楽のイベントを開催してきています。昨年は十一月十八日夜に行われ、隣接する探勝園では、島津斉彬・久光・忠義の島津三公像の銅像の足元に、高校の美術部が作成したライトアップされたモニュメントが展示されるなど、美術館、近代文学館とともに旧考古資料館を再認識し、活用に向けた機運が高まっているように感じます。  ここでお尋ねします。  平成三十年度、この旧考古資料館について、国の重要文化財の指定に向けた取り組みを行うとのことですが、どのような調査が行われるのか、お示しください。  二つ目、平成三十年度以降の動きも含めて、指定までの想定スケジュールをお示しください。  三つ目、また、国指定によるメリットをどのように理解しているのかにつきましてもお示しください。  次に、西南戦争関連遺跡についてお尋ねします。  日本史の教科書では西南戦争と表現されるこの戦いは、鹿児島県史では丁丑之役と呼ばれます。明治十年が、えとの組み合わせの十四番目の年でこのように呼ばれます。また、鹿児島市の学舎連合会などの会合では、西南戦争を十年の戦と表現することもあります。  この時期の鹿児島県庁の動きを少し紹介しますと、明治十年二月十五日に西郷軍は出陣し、当時の大山綱良県令は二月十七日に官位を剥奪され、東京に護送され、九月三十日に処刑されました。大審院の審理過程で大山県令は、官費、県費から十五万円を西郷軍に持ち出したことを自供しています。三月二十一日には岩村通俊を新県令に政府は任命し、渡辺千秋を大書記に任命し、明治政府に従う鹿児島県行政の執行体制を整えております。幾ら戦争中であっても行政はとまらなかったということであります。  それまでの大山県令のもとで鹿児島県の行政機構が整う中で、十八の区がありました。そのうち十の区で、私学校の幹部が区長に採用されていましたので、その体制を利用して薩軍が編成されたのであります。今の形でいいますと、鹿児島県庁と地域振興局など、県庁総がかりで西南戦争に巻き込んでいった過程がわかります。  二月から九月までの戦いの中で、西南戦争は、鹿児島県内においても西郷軍が進軍し、逗留した跡などがあります。史跡・観光地として整備され、看板等の表示があるのは、城山、岩崎谷、私学校跡になります。それ以外については、地元の郷土史研究会などが調査研究の一環として史跡めぐりなどを行っています。今回の当初予算において、西南戦争関係の戦争関連遺跡の発掘調査が予算化されておりますので、ここでお尋ねします。  一つ目、これまで県内において西南戦争関係での発掘調査が行われたことがあるのか、お示しください。今回はどこを発掘するのかもお示しください。  二つ目、西南戦争の両軍の進軍した跡や戦場となった場所は、鹿児島県内に相当箇所あります。今回の発掘予定箇所だけでは済まないかと思いますが、今後の取り組みをお示しください。  次に、教育振興と寄附控除についてお尋ねします。  県立高校などにおいて周年行事等で、同窓会などが中心となって寄附金を集める活動が活発に行われているのを耳にします。その寄附金をどう活用するかお伺いしますと、短期留学派遣事業を開始したり、吹奏楽部の楽器など教育に必要な備品を整備したりと、その用途はさまざまであります。多くの場合、同窓生の温かい御理解を得て、目標金額に達し、現役の学生さんの教育活動の充実につながっております。  こういった教育振興に伴う寄附金を集めるに当たって、近年、必ず話題に出る会話は、寄附金控除はないのですかということであります。中には、寄附金控除があれば、もっと多くの金額を出しやすいのだがとの会話もあるそうで、寄附金を集める側の実行委員をされた方からは、寄附金控除の仕組みが導入できないのかとの御相談を複数受けております。  県立高校において、創立記念式典・事業等を実施予定で、趣意書をつくって同窓生等にお願いし、寄附金を集めた学校を調べてみますと、平成二十九年度で四校、平成二十八年度で三校、平成二十七年度で五校、平成二十六年度も五校などとなっています。  調べてみますと、県外の公立高校の中には、同窓会が主体となって、運動場拡充をしようと教育環境整備事業という名称で基金を集めるに当たり、同窓会が国税庁と協議して、寄附金控除の対象にすることができたとの実績もあるようであります。  鹿児島県において、この寄附金控除の仕組みを使って基金を集めたのは鶴丸城の御楼門建設事業で、民間寄附を実行委員会が集めました。事務処理の関係上、十万円以上の寄附の受け入れを県が設置した口座で行い、寄附された方には寄附金受領証明書を県が発行しました。平成三十年一月現在で四百六十二枚の証明が発行されております。この証明書を使って所得税や法人税の減額を受けることができます。  また、いわゆるふるさと納税と言われる県及び市町村に対する寄附の仕組みでも、寄附金の入金確認後、県及び市町村から寄附金受領証明書を郵送しています。寄附額や課税所得等に応じて、個人住民税等の軽減等を受けることができます。  さらに、平成二十八年度に始まった大学等奨学金返還支援制度で、奨学金返還支援基金は、日本学生支援機構から奨学金を借りた学生が、大学卒業後に鹿児島県内に本社を有する企業等へ就職するなど、一定要件を満たした場合の奨学金の返還を支援するものであります。この支援基金は、十年間で約二十三億円集める目標で、基金には県や市町村のほか、各企業からの寄附も受け入れていて、寄附する企業側は全額損金算入を受けられる仕組みになっています。  この四つの取り組みにより、税制の優遇措置制度つきの寄附というものが定着している現状を鑑みれば、学校の教育振興にも寄附控除がないのかという問い合わせが頻繁に起こることも当たり前かと思います。  先ほど県外の公立高校同窓会が、教育振興のために同窓会独自に個別に国税庁と協議して寄附控除の仕組みを整えた事例を紹介しましたが、同窓会が個別に国税庁と協議するよりも、寄附金を集めたいという意思のある学校、予定のある学校もしくは同窓会が交代で利用する、あるいは合同で管理できるような、県または県教委でのスキームをつくれないかと御提案するものであります。
     ここでお尋ねします。  個人からの寄附による教育活動の振興について、県立学校の同窓会等が教育振興のための寄附金を集めやすくするため、県教委が主体となって寄附金控除を受けられる仕組みをつくるべきではないかと考えますが、所見をお聞かせください。  これで、第一回目の質問といたします。 44 ◯総務部長(寺田雅一君)地方財政対策等についての御質問のうち、歳出特別枠の廃止に伴う本県への影響についてでございます。  地方財政計画における歳出特別枠は、リーマンショック後の緊急対策として計上されてきたものでございます。平成三十年度地方財政対策の中で歳出特別枠の廃止につきましては、本県にとりましても、地方全体にとりましても影響があるものと考えておりますが、その一方で、公共施設等の老朽化対策、維持補修のための経費や、社会保障関係の地方単独事業の増に対応した歳出が確保されております。このようなことによりまして、地方の一般財源総額については前年度を上回る額が確保されているものと認識しております。  続きまして、消費税増税の県財政への影響についてでございます。  消費税率の引き上げが本県財政に与える影響といたしましては、まず、歳入面では、地方消費税率が一・七%から二・二%に引き上げられることによりまして、地方消費税の税収に影響が生じることとなりますが、税率変更の影響が税収にあらわれるまでには一定の期間を要しますことから、平成三十年度当初予算をベースに試算いたしますと、税収が平年度化する平成三十三年度における本県の増収額は、七十四億円程度と見込まれるところでございます。  また、地方交付税につきましては、その原資に影響が生じることとなりますが、地方交付税は、基準財政需要額と基準財政収入額との差を基礎として算定されるものであり、地方消費税の増収に伴い、基準財政収入額が増加する一方で、基準財政需要額に算入される社会保障関係経費等の内容が明らかでないことなどから、その影響額を具体的に試算することは困難であると考えております。  また、歳出面といたしましては、消費税の課税対象となる経費について、負担増が見込まれるところでございます。  また、今後、消費税率の引き上げとともに検討することとされております、社会保障の充実に係る地方負担分、軽減税率制度や新しい経済政策パッケージの関係施策など、特に地方財政に影響を及ぼすものにつきまして、引き続き、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 45 ◯教育長(古川仲二君)まず、日本遺産についてでございます。  県教委におきましては、今般、文化庁に本県の麓をテーマとした九つの市合同の日本遺産の申請を行ったところでございます。その内容については、旧薩摩藩独特の武家屋敷群をリンケージさせて、歴史的景観とともに、それぞれに息づく人々の営み、伝承、祭り等の魅力を伝えるストーリーを国内外に発信し、本県の文化・観光振興につなげようとするものでございます。  なお、構成文化財の例といたしましては、出水市の出水麓、指宿市の砂蒸し温泉、垂水市のお長屋、薩摩川内市の入来麓、いちき串木野市の串木野城跡、南さつま市の水車カラクリ、志布志市の麓庭園、南九州市の知覧麓、姶良市の蒲生のクスなどとなっております。  日本遺産に認定された場合には、県や市、民間団体等で構成する協議会に対しまして、認定後三年間を上限に国から直接補助金が交付されることになっておりまして、他県の事例では、初年度に約四千万円の補助を受け、ホームページの作成やシンポジウムの開催、観光案内板の設置などの事業に活用しているところでございます。  次に、旧考古資料館の国重要文化財指定に向けた取り組みについてでございます。  旧考古資料館につきましては、耐震性に課題がありましたことから、平成十四年度から閉館とし、その活用方法を検討してまいりましたが、貴重な文化財として価値が高まること、観光資源としての活用が期待されること、多額の経費が想定される保存・修理に国庫補助の活用が可能になることなどのメリットを考慮いたしまして、国の重要文化財の指定に向けた取り組みを行うこととしたところでございます。  具体的には、平成三十年度に、学識経験者による旧考古資料館の変遷に係る文献調査や建物の外観等の詳細調査及び、文化庁の調査官による現地調査を実施することにいたしております。  なお、平成三十年度に調査を実施し、平成三十一年度以降にその調査結果を踏まえた意見書を文化庁に提出したいと考えておりまして、その後、国におきましては、文化審議会の審議結果を踏まえまして、重要文化財の指定の可否について判断されることになるものと考えております。  次に、西南戦争関連遺跡についてでございます。  県教委では、平成二十一年度から二十三年度にかけまして実施した西南戦争関連遺跡等の分布状況調査によりまして、遺跡等の所在は把握いたしておりますが、西南戦争の関連遺跡としての発掘調査は今回が初めてでございまして、鹿児島市の滝ノ上火薬製造所跡を予定いたしているところでございます。今後の予定といたしましては、霧島市の笠取戦跡や伊佐市の高熊山激戦地跡などを発掘調査の対象として検討いたしているところでございます。  次に、教育振興を目的とした寄附金の取り扱いについてでございます。  県立学校の同窓会に対する寄附金は、原則として所得税等のいわゆる寄附控除の対象とはならないものの、同窓会が公益法人の認定を受けるなど一定の要件を満たした場合は、所得控除や税額控除等の寄附控除の対象となるところでございます。このため、県外の県立学校同窓会では公益法人の認定を受けているものもありますほか、県内の一部の県立高校同窓会でも認定に向けた検討を進めており、県教委といたしまして、必要な助言を行っているところでございます。  県教委としては、現在のところ、御質問にあったこうした寄附金を一括して受け入れる組織を新たに設置することは考えておりませんが、寄附の活用は教育環境整備の一つの方法であると考えられますことから、各県立学校の同窓会等が寄附を集めやすくなるよう、学校に対し、関係する制度の周知に努めるとともに必要な助言を行ってまいりたいと考えております。 46 ◯藤崎 剛君 一点だけ再質問させていただきたいと思います。  教育行政のトップであります教育長から、観光振興という画期的な言葉が答弁として出てまいりました。この日本遺産を機に、文化財行政と観光行政につきましてはより一層緊密な連携をとって、相乗効果を目指していかなければならないかと思いますが、これをスタートにして、これから文化財行政が観光行政ときちっと、もっと緊密にやっていくことにつきまして、PR・観光戦略部長と教育長のツートップから御決意をいただきたいと思います。 47 ◯教育長(古川仲二君)日本遺産に関連して、文化振興あるいは観光振興に向けた決意についてのお尋ねかと存じますが、魅力ある文化財を観光資源として活用していくためには、私ども教育委員会と観光部局との連携はますます重要になってくるものと考えております。  今回のこの日本遺産を契機といたしまして、今後とも観光部局と連携しながら、その活用に取り組んでまいりたいと考えております。 48 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)文化財につきましては、その価値を後世に引き継ぐためにきっちり保存、そして保全するということが重要でありますとともに、その価値とか魅力、ストーリーをきっちり発信するということが重要でございます。文化財行政と観光行政の連携が必要と言われるゆえんでもあろうかと思っております。  活用に関しまして少し申し上げますと、さきに登録されました明治日本の産業革命遺産につきましては現在、SNS等でその価値の発信をしておりますとともに、地域の方々が中心になってボランティアガイドを務めていただくなど、受け入れ体制も向上していると考えております。  今年度の新たな取り組みといたしまして、構成資産につきまして、ARアプリで紹介するということで今、準備を進めております。例えば反射炉でありますとか炭窯が当時どのように動いていたのかというのを、スマートフォンでありますとかタブレット端末でビジュアルに体感できるという仕掛けでございまして、こういう試みは、より文化財を身近に感じてもらえるのかなと感じております。  先ほど藤崎議員もおっしゃいましたように、鹿児島県内には非常に多種・多彩な文化財が相当数ございますので、今後とも、私どもといたしましては、教育庁と連携しながら、保存そして積極的な活用に努めまして、観光振興にもつなげてまいりたいと考えております。    [藤崎 剛君登壇] 49 ◯藤崎 剛君 それぞれ御答弁いただきました。  日本遺産に選定された先行事例では、初年度から四千万円の予算がついて、PRができているということがわかりました。ぜひ鹿児島県でも、今回、九カ所まとめて一括申請しておりますので、登録に向けて頑張っていただきたいと思います。  それから、西南戦争関連遺跡の今回の発掘場所は、昨年の秋にありましたNHKの人気番組「ファミリーヒストリー」で紹介された、俳優西田敏行の御先祖、西田源左衛門が働いていた可能性のある火薬方と推定されている場所かと思います。まだ推定段階でありますので、証拠の積み上げにより、推定が本当になるのかを含めて、今後の発掘を楽しみに待ちたいと思います。  また、歴史・文化ゾーンにつきましては、旧考古資料館は県有地、県立博物館は県有地、照国公園は市有地、隣接地には環境保健センターの城山庁舎跡地の県有地があります。かごしま文化ゾーン連絡会という県と市でつくる連絡機関もありますので、これからの活発な活動を御期待申し上げて、次の質問に移ります。  次は、五月二十五日についてお尋ねしたいと思います。  知事の提案理由の要旨を聞く中で、ある日付が気になりました。五月二十五日であります。国際青年会議所アジア太平洋地域会議─ASPAC─が五月二十四日から二十七日の間、また、明治百五十年記念式典が五月二十五日と大きな行事が集中しております。さらには、江戸時代の木曽三川の治水工事を御縁に始まった姉妹県である岐阜県との交流を行っているのが、五月二十四日、二十五日になります。  ことしの五月二十五日は、鹿児島にとりましても、とりわけ特別な日になるんじゃないかなと思います。それがゆえに、しっかりと段取りして、来県された国内外の皆様、また岐阜県の皆様に失礼がないように、しっかりとしたおもてなしができればと思っております。  まず、岐阜県との交流についてお尋ねします。  木曽川・長良川・揖斐川の三川の治水工事をやり遂げた平田靱負正輔総奉行の命日に合わせて頌徳慰霊祭を開催しており、昭和三十六年より、五月二十五日午前十時を定時定刻として、鹿児島市の平田公園で行ってきております。昨年は三反園知事も参列されました。二十四日には、前夜祭と称して、二千個の灯籠で木曽三川を表現する交流の灯も定着しております。  また、この日に合わせて、岐阜県・海津市・大垣市・輪之内町・養老町・三重県桑名市などの市長、議会代表、民間団体など、大人また交流の中学生も含めて三百五十人以上が来県され、平田靱負の銅像や薩摩義士碑を参拝し、手を合わせておられます。  昭和四十六年七月に、岐阜県とは姉妹県盟約を結んでおります。岐阜県はこのたび、鶴丸城の御楼門建設に必要なケヤキの木を御提供くださるということで、友好のきずなはますます深まっていっているものと思います。  ここでお尋ねします。  知事の、平田靱負公を含む薩摩義士の偉業についての認識をお聞かせください。  二つ目、鶴丸城の御楼門に必要なケヤキの木を岐阜県の皆様の真心で無償提供を受けることになり、既に鹿児島に到着しております。姉妹県岐阜県との今後の交流についても所感をお聞かせください。  次に、国際青年会議所アジア太平洋地域会議─ASPAC─についてお尋ねします。  鹿児島県内には十三の青年会議所があり、十八歳から四十歳までの会員で構成されるまちづくりの団体であります。JCとも呼ばれます。この議場におきましても、鹿児島JC出身の柴立議長、串木野JC出身の吉留議員、出水JC出身の伊藤議員、鹿児島JC出身は私と長田議員、そして下鶴議員は現役会員であり、それぞれまちづくりに汗を流した経験があります。  国際青年会議所─JCI─は、エリアA─アフリカ─、エリアB─アジア・太平洋─、エリアC─北米・ラテンアメリカ─、エリアD─ヨーロッパ─と四つのエリアに分かれております。原則として五月から六月ごろ、エリアごとにそれぞれ毎年開催地を変えてエリア会議を行います。日本JCが所属するエリアBで開催される会議のことをJCI Asia Pacific Area Conferenceと言い、先ほどから申し上げていますように、略称、ASPACと呼ばれています。  二〇〇〇年からのASPAC開催地を見ますと、高雄、大丘、仙台、セブ、ペナン、マカオ、高松、チュンリー、釜山、長野、シンガポール、マニラ、香港、光州、山形、コタキナバル、高雄、ウランバートル、そして鹿児島であります。アジア各国では首都で開催するパターンが多いのですが、日本では地方都市が手を挙げるケースがふえています。  二〇一三年に鹿児島青年会議所では誘致活動を開始し、鹿児島県内のJCに御理解いただき、九州各地の青年会議所にも御理解いただき、二〇一五年に日本青年会議所で鹿児島に誘致することを決めて、二〇一六年、アジア各国のJCに御理解いただき、台北の国際会議で鹿児島での開催が決定しました。  このASPACがいよいよ五月二十四日から二十七日にかけて、鹿児島市で開催されます。鹿児島空港につながる国際線、ソウル、上海、台北、香港、この直行便がどこまで使われるかも一つの注目点であろうかと思います。国内外から八千二百人もの来県者が予想されています。二十四日が開会式、二十五、二十六、二十七日に会員向けのセミナーやプログラムが行われます。また夜は、日本JC主催のジャパンナイトと称した交流会もあります。  大会は、城山観光ホテル、サンロイヤルホテル、鹿児島アリーナの三会場で行われ、大会期間中はプログラムに合わせて巡回シャトルバスを走らせて、参加者の利便性を高めるようにしております。  できる範囲での現段階の集計によりますと、八千二百人のうち三千五百人が鹿児島県内に宿泊の確認がとれていて、また、一部は新幹線沿線の熊本県内での宿泊も想定して、受け入れ準備を進めているとのことであります。  ここでお尋ねします。  この国際会議を誘致するに当たっては並々ならぬ努力の過程がありましたが、ASPAC誘致に対する県の評価をお聞かせください。  二つ目、ASPACは、アジア各国の政治・経済の将来のリーダーが集まりますので、非常に鹿児島の将来のためにもいろんな意味で布石になると思います。本大会を通じて、今後の期待される効果についてお示しください。  次に、明治百五十年記念式典についてお尋ねします。  明治百五十年記念式典は五月二十五日にされるとのことで、知事からもその内容について提案があったところであります。これから内容は具体的に決めていくと伺っております。  頌徳慰霊祭を主催する薩摩義士顕彰会では、明治百五十年記念式典の開催を重く見て、これまで定時定刻で開催していた時間帯を、ことしに限り慰霊祭の開会時間を変更する旨、先般の理事会で決定したところであります。  交流相手を持つ鹿児島市や霧島市、また鹿児島県・岐阜県側のライオンズクラブやロータリークラブも、毎年恒例で動いている一泊二日あるいは二泊三日の時間があります。今回の五月二十四日、二十五日は、岐阜県から来県される皆様にとりましては、ASPAC期間中、さらには明治百五十年記念式典ということで、これまで訪問してくださった毎年恒例の日程どおりにはいかない可能性があります。  岐阜県側にはできるだけ早目の連絡と調整をする必要が出てまいります。また、来県された岐阜県の皆様にしてみれば、滞在期間中に明治百五十年記念式典があれば参列してみたいという気持ちも起こりますし、設営する鹿児島県側としても、せっかくだから来県された方もどうかなと思うこともあろうかと思います。  そこでお伺いします。  岐阜県や国際青年会議所への説明と調整が必要かと思いますが、明治百五十年記念式典に岐阜県並びにASPAC鹿児島大会関係者が、例えば代表あるいは興味のある方など参加できるようにしてはどうかと考えますが、県の考えをお聞かせください。  次に、未利用の木質資源についてお尋ねいたします。  二月二十一日の鹿児島建設新聞に、九州地方整備局川内川河川事務所の川内出張所が伐採木の無料配布を行ったと紹介されておりました。同出張所では、河道内に茂った樹木の伐採を定期的に実施していて、伐採した木は廃棄処分していたものを、住宅などでまきストーブなどの需要がふえていることなどを踏まえ、希望者に無償提供することを発案しました。昨年末に初めて実施したところ予想外の反響があったため、再び実施したとのことでありました。  「捨てればごみ、生かせば資源。焼却処分すればコストもかかるが、ストーブや風呂に使う人が多いようなので寒いこの時期にはニーズがあるのでは」と、所長さんのコメントが新聞に載っておりました。  未利用資源が生きることは非常に画期的ですが、鹿児島県で発注する工事または維持管理業務等でも同じように発生しているものと理解しております。  ここでお尋ねします。  現在、どのような場面で未利用の木質資源が発生しているか、その量と処分方法についてお示しください。  また、今後できるところから、この新聞にあるような無料の配布など検討できないかもお示しください。  最後に、改元に伴う影響についてお尋ねします。  奈良時代の皇極天皇四年の西暦六四五年に大化の元号が始まり、翌年が有名な六四六年の大化の改新の詔が出されました。それ以来日本ではずっと元号が使われております。一世一元といって、一天皇の在世中には一元号の時代もありました。また、天災や戦乱などから運気を好転させようという考えから、同じ天皇のもとでの任期途中の改元など、これまでさまざまな改元がなされてきました。  明治改元の際に、一世一元の制の詔が出され、一天皇の在世中は一元号が定着しました。昭和六十四年一月七日、昭和天皇が亡くなり、即日開かれた臨時閣議で新元号を平成と決定し、当時の小渕官房長官が発表したことを思い出します。小渕恵三氏が長きにわたり平成おじさんと言われたのは、この記者会見シーンが強烈なインパクトがあったからだと思います。翌日からの改元となったことで、いろんな方面で混乱が生じ、年度途中で西暦と和暦の相互換算をやり直すようなシステム改修もあったやに聞きます。職員の皆様、県民の皆様の中にも御記憶の方も多いかと思います。  今回、天皇陛下の生前退位は明治以降初めてのことであり、一八一七年の光格天皇以来、およそ二百年ぶりとのことであります。退位日を平成三十一年四月三十日と定め、翌日改元となっています。  インターネット時代、申請書類等がダウンロードできますので、書類の中には、県民の利便性向上のために、あらかじめ平成という元号を入れている書類もあろうかと思います。そういったものも、改元の日をもって差しかえの必要が出てくるんじゃないかなと想像いたします。  ここでお尋ねします。  今回の退位については、あらかじめ予想された日があり、また元号名も事前に発表して、改元された場合の影響を最小限にとどめるような努力をするとされています。鹿児島県ではどのように改元の影響について予測し、準備を進めていくのか、お示しください。  これで、二回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 50 ◯知事(三反園 訓君)薩摩義士の偉業の認識についてであります。  江戸時代中期の宝暦年間に平田靱負翁を総奉行として行われた木曽三川の治水工事は、至難をきわめた工事でありまして、薩摩義士が身命を賭して完成させた偉大な業績と崇高な精神は、現在でも岐阜県民を初め多くの方々によって連綿と語り継がれ、広く顕彰されております。  この平田靱負翁の命日に当たります五月二十五日には、毎年、鹿児島市の平田公園で薩摩義士頌徳慰霊祭が催されておりまして、昨年、私も岐阜県の多くの方々とともに参列したところであります。また、昨年十月には、岐阜県にあります薩摩義士ゆかりの治水神社を訪れ、遺徳をしのんだところであります。  薩摩義士の不撓不屈の精神と遺徳は県民の誇りでありまして、末永く語り継ぐとともに、薩摩義士の偉業と崇高な精神に学びながら、郷土鹿児島の一層の発展に努めてまいりたいと考えております。  岐阜県との今後の交流についてのお尋ねであります。  鹿児島県と岐阜県は、薩摩義士の偉業をたたえ、その精神的なきずなをもとに、昭和四十六年に姉妹県盟約を締結したところであります。それ以来、青少年交流、県職員・教職員の交流派遣を初めとして、市町村や経済団体など各方面にわたる活発な交流活動が展開されております。  昨年十月には、岐阜県関ヶ原町で開催されました鶴丸城御楼門の大扉となるケヤキの贈呈式に合わせ、岐阜県知事と今後の両県交流について意見交換を行いました。その中で、二〇二〇年開催の「燃ゆる感動かごしま国体」に向けた選手強化のためのスポーツ交流、明治維新百五十周年を契機としたイベントの連携・交流など、今後、両県で取り組んでいくことを合意したところであります。  本年一月からは、岐阜県図書館で開催されております明治百五十年特別企画展に、鹿児島県知事として送ったメッセージが披露、掲示されているところでありまして、さらに今後、岐阜県図書館が行う西郷隆盛に関する資料展へ関係資料の提供等を行う予定であります。  また、関ヶ原の合戦で島津義弘公の身がわりとなって討ち死にした島津豊久公の碑がある岐阜県大垣市の烏頭坂が、島津軍が退却した島津の退き口をめぐるウオーキングルートとして、地域の方々からも大切にされているところであります。その地域の方々から、ベンチをつくってほしいという要望が訪問したときに私になされました。それを受けまして、公園内に県産のクス材を用いたベンチを寄贈することとし、柴立議長などの協力も得まして、現在、その寄贈に向けまして関係機関と準備を進めているところでもあります。  また、明治百五十年記念式典にも、岐阜県の皆さんにも参加していただきたいと思っております。  今後とも、両県の一層の連携・交流促進に努めてまいりたいと考えております。 51 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)まず、いわゆるASPAC誘致に対する県の評価についてでございます。  鹿児島青年会議所におきましては、ASPACの誘致を実現するため、平成二十六年一月、会議所内に誘致実行委員会を設置し、過去の国内開催事例の調査等を行うとともに、九州各県のブロック協議会を訪問し、誘致趣旨の説明や推薦依頼を行うなど、鹿児島市への誘致活動に熱心に取り組まれてきたところでございます。  また、平成二十八年六月の開催地決定直後には大会実行委員会を設置し、日本青年会議所全国大会や国際青年会議所世界会議への参加や、韓国、台湾、香港、ベトナムなどへの訪問等を通じて、鹿児島大会に係るPR活動等を積極的に展開されるなど、鹿児島大会への多数の来訪に向けて、会員の皆様が熱意と行動力を持って取り組まれているところでございます。  このようなことから、県といたしましては、今後とも、鹿児島青年会議所と密接に連携を図りながら、ASPAC鹿児島大会が円滑に開催できるよう支援することといたしております。  次に、ASPACの開催を通じて、今後期待される効果についてでございます。  ASPAC鹿児島大会におきましては、大会期間中に総会や研修会、交流会のほか、トレードショー等の開催も計画されており、これらの取り組みを通じて、次代の鹿児島の産業・経済界をリードする若手経済人の国際感覚の醸成が図られるとともに、企業家同士の交流を通じて人的ネットワークが形成され、アジア太平洋地域を中心としたビジネスチャンスの拡大につながることが期待されるところでございます。  また、国内外から多数の参加者が見込まれており、その方々に鹿児島の自然、食、歴史などの魅力を情報発信していただくことで、本県へのさらなる誘客促進につながることも期待しているところでございます。 52 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)明治百五十年記念式典の招待者についてでございます。  近代日本の礎をつくったこの鹿児島から全国的な機運を盛り上げ、鹿児島の魅力を広く発信するとともに、先人たちの業績を後世に伝えるため、五月二十五日に明治百五十年記念式典を、翌二十六日にかけて関連イベントを開催することとしており、子供たちを初め、幅広い世代に数多く参加してもらいたいと考えております。
     記念式典の招待者につきましては、現在検討しているところでございますが、歴史的な式典にするためにも、同時期に開催されますいわゆるASPAC及び、先ほど知事からもありましたとおり、薩摩義士頌徳慰霊祭などとも連携を図りながら、幅広い方に出席していただけるよう調整してまいります。 53 ◯土木監(井多原章一君)未利用の木質資源についてであります。  県事業で発生する未利用の木質資源といたしましては、主に、森林内における建設工事等に伴い、所有者の権利放棄により県が伐採する立竹木が挙げられます。この立竹木につきましては、建設資材としての現場内利用等を検討し、利用できない場合は、産業廃棄物として再資源化施設等で処理を行っておりまして、その処分量は、根株等を合わせて、平成二十八年度において約一万トンとなっております。  県が立竹木を無償提供するには、今回の川内川河川事務所のように、希望者みずからがとりに来るなど有価物として扱う取り組みが前提となり、例えば、まきなどに加工する費用や作業・保管場所の確保等について検討する必要がありますことから、まずは国や他県等での先進事例の情報収集に努めてまいります。 54 ◯総務部長(寺田雅一君)改元に伴う影響等についてでございます。  国においては現在、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位がつつがなく行われるよう、式典準備委員会を設置し、関連する式典の準備を総合的かつ計画的に進めるための基本方針の検討を行っているところでございます。  また、改元に当たっては、新たな元号が広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差したものとなるよう慎重な検討が必要としており、その公表時期については、国民生活への影響等を考慮しつつ、今後、適切に進めていくとしているところでございます。  本県におきましては、改元に伴いまして、条例・規則等の条文中に改元の期日以降の日付を規定しているものなどの改正や、財務会計システムなど、西暦と元号を用いているものを相互に変換する機能を有しているシステムの改修等の対応が必要になると考えているところでございます。  県といたしましては、今後とも、国の動向等も注視しながら、県民サービスに影響が生じることのないよう適切に対応してまいりたいと考えております。    [藤崎 剛君登壇] 55 ◯藤崎 剛君 それぞれ御答弁いただきました。  先ほどASPACに関しまして、関係する議員を御紹介しましたが、郷原拓男議員が鹿屋JCでありました。漏れておりました。大変失礼いたしました。  この五月二十五日、各部局連携していただいて、いいおもてなしができればなと思っております。  さて、知事、今回は、県民の日の制定を明言されました。大変評価するものであります。  一つ気になることがありまして、大河ドラマ「西郷どん」が非常にブームになっているんですが、県民手帳の九月二十四日の欄には、西郷隆盛の命日あるいは西南戦争の終結日であることは書かれておりません。今回、県民の日を決めるに当たりましては、各市町村が持つ大事な日、記念日等のヒアリングがあるかと思います。県内の主要団体が思っている大切な日もあろうかと思います。いろんなヒアリングをする場面の中から、日が上がってくるかと思いますので、県民の日が制定された暁には、その日は恐らく県民手帳に載るものと思いますが、この際、県民手帳の各期日の欄に、一つでも多くの県民の皆様が大事に思う記念日が掲載されるように要望いたします。  さて、政府の言う、生産性革命、人づくり革命などという言葉が飛び交い、私は大変不満があります。革命という言葉に違和感を感じます。明治維新ですら歴史上は革命とは評価されておりません。簡単に革命という言葉が使われることに対して危機感を覚えるのであります。それこそ、西郷どんじゃなかどん、政府に尋問の筋これありじゃっち、私は思っているところであります。  西郷隆盛公は、戊辰の役で亡くなった方の追悼を私学校の精神的な柱としても位置づけていました。ふるさとに家族を残して異郷の地で亡くなる者は、本人もつらい、家族もつらいものであります。戊辰戦争から西南戦争にかけて全国各地で動いた鹿児島人の中には、ふるさとに帰れないまま現地で亡くなった方がおられます。  昨年の文教警察委員会での視察の際、公式日程が終了後の五時を過ぎてからでありますが、委員各位の御理解をいただきまして、宇都宮市の報恩寺に眠る、戊辰の役で亡くなった薩摩人の墓のお参りをしました。また先般、長崎市でありました九州議長会主催の県議会議員交流セミナーの翌日の朝七時、私は一人で長崎市の晧台寺の西南戦争のときの薩摩人の墓をお参りしてきました。こうやって薩摩人の墓は全国にあちこちあります。  大河ドラマのオープニングのテーマ曲の躍動感と清涼感が、多くの県民の皆様の心に響いております。異郷の地で百五十年にわたり眠る皆様の心にもぜひ届いてほしいと願うばかりであります。  明治五十年が大正六年、明治百年が昭和四十三年、次の明治二百年は二〇六八年であります。これから五十年先、生きていれば私も九十四歳であります。長生きには自信はありませんが、見てみたい気がいたします。  地方創生の取り組みがないままだと、鹿児島県の人口は二〇六〇年に百二万人という見通しがあり、戦略を実施し効果が出ると、二〇六〇年が百十五万七千人という予測があります。  大河ドラマ効果で県民の皆様のモチベーションが上がって、この目標が達成されることを祈念し、また、県民が安心・安全な暮らしが引き続きできますよう私自身も努力することをお誓い申し上げて、今回の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 56 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 57    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び議案の委員会付託であります。       ───────────── 58    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十四分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...